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Vol.10最新型サーブ・テイクバック大研究 上巻

タイプA 肘から上げていく引き方…標準型

現在の標準型で最多数派

次に紹介するのは、肘から引き上げていくテイクバック(連続写真参照)で、これをタイプ2として分類する。全体の流れは、右手と左手を同時にスタートして右手は下から回すが、途中から肘を曲げて、肘先行で引き上げていくという形になる。元々は、タイプ3のラジオ体操型(下巻でお贈りします)から派生した引き方と考えられるが、現在では男女とも完全にこちらのほうが多数派になり、現時点での標準型と言うことができる。

もちろん、標準型だけあってメリットは多い。まず、ラケットを振り子のように下から回すことで、流れやリズムを作りやすいという利点があるし、腕力もあまり必要としない。さらに、肘先行で引くことによって、タイプ1と同様に肘を良いポジションに持っていきやすくなる。このように多くの利点があるからこそ、男女を問わず多くの選手に採用されているわけだ。

ただし、左右両手を同時に別々に動かすことになるので、そういう動作が苦手な人には向かないかもしれない。だが、それ以外では、誰にでも安心して進められるテイクバックだ。

サーブでは、スウィング初期にラケットが背中側に落ちていくが、そのとき背中をかくようにラケットを落とす(左)のではなく、右のように背中から離して落とすのが正しい(そのほうが速いサーブを打ちやすい)。そのためテイクバックでも、左のように腕を横に開くよりも、右のように身体の前側(腹側)からラケットを引き上げていくほうが良いわけで、タイプ2は、それをやりやすいテイクバックだと言える(ヘンマンの連続写真参照)。

タイプ2のテイクバックで、右手と左手の連動をうまく行なうには、トスを上げた時点で写真中央のように「トの字」の形を作ることをイメージすると良い。そこまでは、右腕はだらりと下げて振り子のように回し、トスを上げた後で、肘を曲げながら(肘から)引き上げていくようにすると、無理なく両手の動きを調和させることができる。

G.クエルテンの後ろから見たタイプAのテイクバック
タイプ2の代表的な例を後ろから見たところ。1で右手と左手を同時にスタートさせ、4までは右手は振り子のように下で回し、C以降で肘を曲げながら肘先行で腕を引き上げている。そして、Gでは肘を大きく引いた形が完成し、そのままの流れでラケットヘッドが背中側に落ちている(H〜J)。流れが良く、それが威力にも結びついた例と言える。
G.クエルテンの後ろから見たタイプAのテイクバック

T.ヘンマンの上から見たタイプAのテイクバック
こちらはタイプ2を上から見た場面。D〜Jを見ると、身体の前側(腹側)からラケットを引き上げて、そのままの流れで背中から少し離れたところにラケットヘッドを落としている様子がよくわかる。またD以降で、肘を背中側に突き出すように引いており、この動きがHでの大きな肘の引きにつながっていることもわかる。
T.ヘンマンの上から見たタイプAのテイクバック


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(テニスジャーナル 2004年2月号)
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