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サービス編

Vol.10 最新型サーブ・テイクバック大研究 上巻

タイプ① 右手(ラケットヘッド)を下げない引き方

タイプ1のメリット

タイプ1のメリットとしては、まず右手と左手の連動に苦労しないという点が挙げられる。右手の動き(右利きの場合/以下同)が非常にシンプルなので、左手のトスを上げる動きに影響を受けにくいのだ(トスを上げている間は右手の動きを止めておいても良い)。右手と左手を同時に動かすのが苦手で、動きがぎこちなくなってしまう人は、ぜひ試してみてほしい。また、ムダな動きが少ない分、変なクセもつきにくいと言える。

もうひとつ大きいのは、前ページでも触れたように、小さな動きながら、肘はうまく引けるという点だ(イラスト参照)。さらに肘の形を意識しやすいという良さもある。

また、右手の引きに時間がかからないので、クイックサーブ(速いリズムのサーブ)を打ちやすいというメリットもある。つまり、トスが低くて済むため、トスが下手な人も、やってみる価値があるだろう。

タイプ1では、腕の形を保ったまま肘から(肘先行で)引いていくという基本を守れば、大きく肘を引きやすくなる。また、構えた時点で良い肘の形を作って、それを記憶しておき、その形を保って引いていくことで、最終的にも良い肘の形(90度に曲げた状態)が作れるようになる。「肘の引き」について意識を高めやすいテイクバックなのだ。

ロディックやナダルのように上から振りかぶるような引き方をする場合、勢い余ってこのように肘が下がってしまうことがあるので注意が必要だ。肘が肩の線よりも低くならないようにすることも、サーブのテイクバックにおける大切な基本なので、その点は十分に意識する必要がある(タイプ1の場合、通常は逆に肘を高く保ちやすい)。

A.ロディックのバンザイするようなテイクバック
高めにラケットを構えて(1)、バンザイするように右手と左手を同時に上げていった例。現在世界最速と言われるロディックのサーブがタイプ1であることからも、スピード面でのデメリットが少ないことが証明できる。実際、⑤~⑫を見ると、右肘を背中側に突き出すような動かし方によって、肘の引きが非常に大きくなっていることがわかる。
R.ナダルの上から引くテイクバック
こちらも、ロディックとは少し違うが、上から振りかぶるようにラケットを引いていく例。人によっては、こちらがやりやすいと感じる場合もあるだろう。見習いたいのは、⑫~⑬で肘の位置が低くならないように、肘を高く保つ意識を強く持っている点だ。ただし、肘を背中側に大きく引くという意味では、ロディックの引き方のほうが有利だ。
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「タイプ① 右手(ラケットヘッド)を下げない引き方 タイプ①の将来性」 >>

(テニスジャーナル 2004年2月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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