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Vol.1サーブにおける内部意識 上巻

内部意識とは?
「内部意識」とは、簡単に言ってしまえば、「自分がボールを打つときに持っている意識」のこと。たとえば、「インパクトでグリップに力を入れる」とか「ボールに体重を乗せるようなつもりで打つ」といった昔からよく言われる教えも、「内部意識」に関するアドバイスである。
 単に「意識」と言えば済む話だと思う人も多いだろうが、これまでは 自分の中の意識 と 外から見える現象 との区別がきちんとつけられていない状態のまま、技術論が語られることが多かった。たとえば、「グリップに力を入れる意識」によって現実には何が起こるのか、説明されることはほどんどなかった。ひどい場合には、「ボールに体重を乗せる意識」を持てば、「ボールが重くなる」と、物理の法則を無視したような解説が堂々と行なわれることもあった。
 そこで今回のシリーズでは、あえて「内部意識」という言葉を使い、外から見える現象(外観)と対比させながら解説しているのである。
外観と内部意識の違いを意識しよう
 先に述べたように「内部意識」と「外観」は、きちんと区別して考えることが大切だ。外から見える形と本人の内部意識がまったく異なっている場合も多いからだ。
 つまり、プロの写真を見て「こんなフォームにしたい」と思ったとしても、それを実現するためには「どんな内部意識が必要なのか」、少し慎重に考える必要があるということだ。本特集には、それを考えるためのヒントが数多く詰まっているので、ぜひ参考にしてほしい。

トスアップ安定したトスのための内部意識
ここからは、さっそく具体的な内部意識の解説に入っていこう。サーブ編の前編として、テイクバックとスウィングに関する基本的な部分にテーマをしぼって話を進めていく。そして後編では、身体の使い方や回転のかけ方など、その他の要素について説明する。

トスに繊細な動きは必要ない

まずはトスアップの動作について簡単に触れておこう。サーブのトスは、非利き手で行なう大きな動きで行なうのが基本だ。さらに、そうした基本通り、腕の大きな振りを実践する場合でも、腕の振り上げる方向にもポイントがあるので注意しよう(下のイラストを参照)。
 また、両手の協調動作(右手と左手で同時に別々の動きをすること)が苦手な人は、両手を時間差で動かすタイプのテイクバックをすれば良い。
大きくゆっくりとした腕の振りでトスを上げるというのは、どんなプロ選手の動きを見ても、共通していることだ。ボールの握り方は、個性によっていろいろなタイプがあるが、腕の動きについては、これが唯一の基本なので、きちんと身につけておきたい。

テークバックラケットの引き上げに関する内部意識
テイクバックでラケットを引き上げる動作は、トスの場合と違って、人によってさまざまな個性の違いがある。トッププロでもさまざまタイプがあり、「こうでなければいけない」という定型はないと言える。ただし、テイクバックの完成形は、ほとんどのプロが同じ形になっており、ここは外せない基本と言える。つまり、結果(完成形)は決まっているが、そこまでの過程は自由だということになる。

思ったよりも単純な動き

その自由な腕の引き上げだが、それならシンプルであるに越したことはない。実際、プロのテイクバックは、一見複雑なように見えても、よく見るとかなりシンプルだ。ただ、腕を上げる方向に関してはある程度意識したほうが良いので、下のイラストを参照してほしい。

ハースの上から見たテークバック
トスの動作はきわめて基本に忠実で、右腕によるラケットの引き上げは、非常にシンプル。誰の真似をすれば良いか迷っている人にとっては、手本としてかなりお勧めできる。右腕を上げていく方向も、左上のイラストと同様に身体の前側になっており、9以降のフォワードスィング(ラケットダウン)の方向ともスムーズにつながっている。

(テニスジャーナル 2001年5月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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