今年9月にテニスの不正監視を目的とした機関 ITIA(国際テニス インテグリティ・エージェンシー)からドーピング違反により4年間の資格停止処分を受けた女子テニスで元世界ランク1位の
S・ハレプ(ルーマニア)のコーチであるパトリック・ムラトグルー氏が4日、自身のSNSを更新。ハレプがドーピング検査で陽性となったのは自身がハレプに勧めたサプリメントが原因であったことを明かし「責任を感じる」と述べた。
>>【動画】4年間の出場停止言い渡されたハレプ、練習の様子公開<<2022年10月21日にITIAは四大大会2勝を含むツアー通算24勝を誇るハレプがドーピング検査で陽性反応を示したことを発表。ITIAは同年9月の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)で採取した検体から使用が禁止されているロキサデュスタットが検出されたとした。
昨年10月の発表からハレプは一貫して禁止薬物の摂取を否定。ムラトグルー氏も無実を訴え続けてきた。しかし、約11ヵ月間にわたり聞き取り調査や更なる検査などをしたITIAは今年9月に結果を発表し、暫定的な出場資格停止となった昨年10月7日(発表は21日)から換算して4年間の公式戦出場停止処分を決定した。
また、ITIAは昨年の全米オープンで検出された以外にもう1点不正があったと報告。それはアスリート・バイオロジカル・パスポートの不正に関することで、スポーツ選手から経時的に検体を採取し解析するこの方法で検査を進めるなか、ハレプから提出されたものに不正があったとした。具体的な不正内容は明文化されていないが、上記2点において4年間の出場停止処分が言い渡された。
これに対しハレプは、SNSで声明を発表し今後も戦っていくことやスポーツ仲裁裁判所へ訴えることを明かしていた。
その中で今回、ムラトグルー氏が自身のインスタグラムに動画を投稿し、ハレプが検査で陽性となった原因は自身が勧めたコラーゲンのサプリメントであったことを明かし「責任を感じると」述べた。
「シモナ(ハレプ)がスポーツ仲裁裁判所に訴えたことで、私は彼女の将来が明るいものになると自信を持っています。なぜならスポーツ仲裁裁判所は独立した法廷だからです」
「私たちは汚染の原因がどこにあったのかを突き止めることができました。私たちは彼女にコラーゲンの摂取を提案し、ある会社からコラーゲンを取り寄せました。このコラーゲンが偶然にも汚染されていたもので、それを知る術はありませんでした。しかし、これは私のチームで起きたことであり、私は責任を感じています。つまり、彼女にそのコラーゲンをもたらしたのは基本的には私なのです」
「私たちは可能な限りの検査を行い、汚染されていたことを証明しました。私はこの独立した法廷が、彼女がドーピングをしていないこと、被害者であること、そしてできるだけ早くコートに戻り、競技に参加することを認めてくれると確信しています」
さらにムラトグルー氏はアスリート全体にも注意を促した。
「どんなアスリートでも、明日にでも汚染されてしまう可能性があるという事実を目の当たりにしました。私たちが話しているのは、極めてレベルの低いものです。影響はないけれど、偶然にもあるはずのないものが体内に存在してしまうのです」
「あなたのキャリアは極めて長い期間ストップしてしまいます。あなたのキャリア全体に影響を及ぼしかねないし、あなたは何もしていないのだから、非常に不当な理由であなたの信用に影響を及ぼします。サプリメントを提供する会社は、このようなことが起こらないことを100%確認する必要があります」
一方のハレプは復帰に向け、先月23日には自身のインスタグラムに「Never Give Up(諦めない)」という音楽を付けコートで練習する動画を公開している。
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