国内最大

総合テニス専門サイト「テニス365」

tennis365.net

HOMEニュースTOP今日のニュース(一覧)今日のニュース(詳細)

中東から避難、支援は適切だった?

イメージ
イメージ
画像提供: ゲッティイメージズ
3月初旬、まさに非常事態と言える状況により、テニス界に混乱が生じた。中東情勢の緊迫化により、男子テニスのフジャイラ・オープン(アラブ首長国連邦/フジャイラ、ハード、ATPチャレンジャー)が中止となり、選手ら関係者は中東からの避難に奔走した。

>>【動画】警報で試合中断、走ってコートから逃げる松岡 隼<<

中東情勢が不安定な中、フジャイラ オープンは2日に開幕。しかし、3日には試合中に警報が鳴り試合が中断。会場近郊の石油施設に無人機の破片が落下し火災が発生したとされ、ほどなくして大会は中止となった。

同大会に出場していた日本人選手を含めた選手ら関係者はその後、中東からの避難を目指すことに。しかし、フライトのキャンセルが相次ぐなど、事態は混迷を極めた。

その中で、男子プロテニス協会のATPは選手らが中東を脱出できるよう、マスカット(オマーン)発ミラノ(イタリア)行きのチャーター便を手配。しかし、当初このチャーター便の費用が1人5,000ユーロ(約91万円)とされており、プロテニス選手協会のPTPAが反発するなど波紋を呼んだ。

これを受け、その後ATPは方針を転換。チャーター便の費用を負担すると発表した。

しかし、イタリアからの渡航費は自費となっていたことなどから、日本人選手らはチャーター便を使用せず自費での避難を選択。その後、各自のルートで日本に無事帰国している。

今回の事態で痛感したのが、テニスが個人競技であるがゆえの支援の難しさだ。

これが団体競技であったらどうだっただろうか。おそらくチームや競技団体が選手ら関係者の避難方法の確保に動き、選手と関係者の避難を先導して支援しただろう。全員をまとめて帰国させるためのチャーター便の手配までする可能性もある。

しかし、テニスは個人競技。選手によって次の目的地は異なり、関係者をまとめて1つのチャーター便で各地に送り届けることは現実的ではない。

では、経済的支援という側面ではどうだろうか。いずれかの団体が目的地までに要する費用を支援するという形だ。ここで問題となるのがその「団体」がどこなのかということ。大会を主催しているATPなのか、選手が所属している国の競技団体なのか、選手が個別に契約している所属先なのか、はたまた開催国の競技団体や個別の大会なのか。大会となると、選手はこの大会の前後の大会にも出場を予定しているケースもあり、それが国際テニス連盟のITF主催の大会の場合もある。

では仮に大会を主催したATPに責任があり、ATPが経済的支援をするとしよう。ATPは誰にいくらの経済的支援をするべきか。まず「誰に」だが、選手によって遠征に帯同させている人数は異なる。帯同させているコーチやトレーナーの分もATPが負担すべきなのか、パートナーや友人はどうなるだろうか。

そして「いくら」だが、前述の通りテニスの場合、選手の次の行き先は様々。選手によって渡航費が異なるのは言うまでもない。さらに、根本論として経済的支援はそもそも適切なのか。選手は当初より次の目的地への渡航費は予算に入れている。それをATPが負担するのが適切なのかは議論の余地がある。無料にすれば、次の目的地まで選手は渡航費が浮く形となり、それがコーチなどを帯同させている選手であれば尚更だ。

では、本来かかるはずだった費用よりも多くなってしまった差額をATPが負担するというのが理論としては成り立つが、選手によっては勝ち上がり次第で移動日が異なり航空券を取っていない場合もあるため、何をもって差額を証明できるのだろうか。また、膨大な事務作業を要することも想像に難くない。他方、一括でいくらと決めるのも、当然選手によって損得が出て不公平だろう。

さらに、選手によっては個人で契約しているスポンサーが支援を申し出ている場合もある。そのような選手には団体からの経済的支援は必要ないのか。それは不公平ではないのか、議論は尽きない。

今回のような事態において、最も必要なのは移動手段の確保だったように思う。中東地域からの脱出が至上命題な状況で、多くのフライトが不確実となるなか移動するすべがなければどうしようもないからだ。

その意味では、ATPが大会の中止を発表すると同時に、チャーター便を手配したことは一定の評価ができる。

もちろん、全ての選手をカバーすることはできず、イタリア行きという限られたものになってしまったが、最大のミッションとなる中東脱出というすべは迅速に用意したのだ。

他方、当初このチャーター便が有料だったことにPTPAが反発するなど波紋も呼んだ。上記の公平性の観点から費用の設定には一定の妥当性もあるが、結果としては有料に反対する主張が通る形となり、その後チャーター便の費用はATPが負担した。

さらに、前述の通り大会に参加していた日本人選手らはイタリアを経由することによる経済的な側面などを考慮し、チャーター便を使用せず自費での避難を選択しており、課題は残った。

チャーター便の手配、費用のあり方、行き先など、今回のような非常時におけるATPの対応が適切だったのかは、今後検証する必要があるだろう。

なお、ATPは上記とは別に、今回のような事態を開幕前に予期できたか、同大会を開催したことは適切だったのかも検討する必要がある。

ここまでいかに難しい状況だったかを記したが、大前提として、これらの議論は人命に優先しない。一度全ての議論を置き去り、全員の全ての費用を一旦ATPか他のどこかが負担し、安全な状況となってから上記の議論をすればいいというのはもっともな話だ。

しかし今回、事実としてこのように個人競技という特殊さゆえに、いずれの団体も全てをやり切る胆力がなかったというのが実態だろう。

繰り返しになるが、これがチーム競技であれば誰が何をするべきかは基本的には明快だ。選手たちの所属チームや、ナショナルチームであれば同国の競技団体が、関係者全員の帰国に向け全力を注げばよいのだ。

今回の一件をもとに、非常事態における個人競技の選手に対する支援の在り方を検討すべきだろう。


■関連ニュース

・望月 慎太郎 この先に希望はあるのか
・大会賞金に差 ジャパンOP含むATP500編
・錦織 圭「正解なのかわからない」

■おすすめコンテンツ

・テニス体験レッスン受付中
・無料ドロー作成ツール
・世界ランキング
(2026年3月8日13時08分)

その他のニュース

6月2日

【告知】小田凱人・上地結衣 全仏OP初戦 (16時24分)

【告知】ズべレフvsホダル (14時24分)

TOP5は1人のみ 全仏OP女子8強 (13時51分)

ズベレフら 全仏OP男子8強出揃う (12時47分)

アルカラス 左手で練習再開 (11時48分)

シナー不在も伊3選手が史上初の快挙 (9時38分)

元世界6位 5年ぶりの全仏OPで8強 (8時18分)

3年ぶり全仏OPで女子が大トリ (7時23分)

大坂なおみ「勝ちたかったけど…」 (7時04分)

カナダ人男子初 全四大大会で8強入り (5時57分)

大坂なおみ撃破の女王「厳しい試合」 (5時46分)

大坂なおみ 世界1位に屈し8強ならず (5時00分)

【1ポイント速報】大坂なおみvsサバレンカ (3時13分)

44歳セリーナ 4年ぶり競技復帰 (1時06分)

6月1日

性差別発言で罰金1200万円 (21時39分)

青山修子ペア 完勝で全仏OP8強 (20時27分)

トアルソン「アスタリスタ アーマード」が支持拡大! 「ポリっぽいナイロンという新境地」 (18時05分)

錦織圭 最後のジャパンOP出場決定 (13時13分)

実力をしっかりと発揮するための、全く新しい”眼”からのアプローチ (13時05分)

渡邉栞太ら 日本勢が全仏Jr初戦突破 (11時49分)

伊藤あおい 芝初戦は予選決勝で敗退 (8時58分)

19歳フォンセカ 強敵破り全仏OP8強 (7時29分)

引退の36歳 17年ぶり全仏OP8強 (7時15分)

世界3位 全仏OPで7年ぶりに8強逃す (5時12分)

ズベレフ 快勝で6年連続の全仏OP8強 (1時06分)

19歳 大逆転勝ちで四大大会初の8強 (0時29分)

5月31日

二宮真琴組 第1シードに屈し8強ならず (21時39分)

4度の全仏OP女王破り初の8強 (20時59分)

阿部宏美 2週連続V達成 (18時41分)

大坂なおみ ウエア構想に最低1年半 (16時44分)

全仏OP 死闘相次ぐ 新制度で最長試合 (12時20分)

大坂戦へ 世界1位「何でもする覚悟」 (8時53分)

二宮真琴ペア 日本勢対決で大逆転勝ち (8時11分)

全仏OP 前年女王が3回戦敗退 (7時31分)

大坂 世界1位と対戦「知らなかった」 (0時15分)

5月30日

大坂なおみ 次戦は世界1位に決定 (23時18分)

大坂なおみ死闘も「落ち着いていた」 (21時42分)

大坂なおみ 死闘制し全仏OP初の16強 (21時08分)

【1ポイント速報】大坂なおみvsヨビッチ (18時16分)

大坂なおみ 3回戦は金色スカート! (18時10分)

事故多発に選手怒り、全仏OP対応へ (11時52分)

四大大会新王者誕生が確定 (10時19分)

「女には難しい」性差別発言で罰金 (8時24分)

ジョコビッチは「まるで20歳」 (7時01分)

ジョコ大逆転負け 19歳に「脱帽」 (5時48分)

ジョコ 19歳に大逆転負けで16強逃す (3時56分)

19歳がジョコビッチ破る番狂わせ (3時56分)

盤石の世界3位 全仏OP8年連続16強 (0時03分)

【動画】大坂なおみ 世界1位に屈し全仏OP8強ならず… 試合終了の瞬間 (0時00分)

【動画】錦織圭 最後のジャパンOP出場決定!本人からのコメント映像! (0時00分)

←ニューストップへ
←前のページに戻る


テニスの総合ポータルサイトテニス365
テニスのことならテニス365へ。テニスの総合ポータルサイトテニス365はテニス用品の通販やテニスニュースからテニスコート、テニススクールなどのテニス施設を探す方まで、便利なテニスの総合ポータルサイト、テニス情報の検索サイトです。プレイスタイルやテニス歴など、テニス用品を様々な角度から探すこともできます。テニスの総合ポータルサイトをお探しなら、テニスニュースやテニス施設の情報が豊富なテニスの総合ポータルサイトのテニス365をお使いください。テニスの総合ポータルサイトのテニス365であなたのテニスをもっと楽しく!