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望月慎太郎 この先に希望はあるのか

望月慎太郎
望月慎太郎
画像提供: ゲッティイメージズ
男子テニスで世界ランク117位の望月慎太郎は今季、公式戦で1勝10敗と苦しんでいる。

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望月は神奈川県出身の22歳。テニスを始めたのは3歳で、12歳のときに有望な若手選手を支援する「盛田正明テニス・ファンド」 の奨学生となり、アメリカのIMGアカデミーで腕を磨いた。

ジュニア大会で好成績を収めていった望月は2019年のウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)ジュニア男子シングルスで日本人男子初の優勝を達成。同年にはジュニア世界ランキングで日本人男子初の1位に輝いている。

そんな望月だが、今季は開幕から公式戦で白星を挙げることができず苦戦。今月行われたカタール・エクソンモービル・オープン(カタール/ドーハ、 ハード、ATP500)の予選1回戦で世界ランキングのない地元選手のG・アル スライティ(カタール)から1勝を挙げたが、その他の10試合は敗れている。

望月は現在、世界ランキングが100位代前半とツアー大会に挑戦できるランキングであるため、今季対戦した選手のほとんどが現在、もしくは過去に世界ランキングでトップ100に入っている強敵となっている。しかし、これらの選手に勝てないことには今以上の選手にはなれないということになってしまう。

望月は今後、さらなる飛躍を遂げることができるのか。

まず前提として望月は、相手のボールに対しタイミングを合わせ、鋭いフラット系のストロークを繰り出し、隙があればネットに詰めポイントを奪うアグレッシブなスタイルを得意としている。

望月はこのプレースタイルとともに年々力をつけ、ツアー下部のチャレンジャー大会では2024年に10勝12敗だった成績を、2025年には1度の優勝と2度の準優勝を含む29勝18敗まで向上させ、世界ランキングも同年11月に自己最高位となる92位を記録した。

しかし、これがツアーレベルになるとキャリア通算の戦績は7勝31敗。このうち3勝は2023年の木下グループ ジャパンオープンテニス チャンピオンシップス(日本/東京、ハード、ATP500)で挙げたもので、残りは昨年の四大大会2大会で挙げた1勝ずつと、アルマトゥイ・オープン(カザフスタン/アルマトゥイ、ハード、ATP250)で挙げた2勝となっており、その他の大会では全て初戦敗退となっている。

つまり、ツアーレベルではプレーが噛み合い好成績を残した大会以外は敗れているのが現状だ。そのため、今季が不調というわけではなく、ツアーレベルの試合が多くなっているため敗戦が多くなっているという見方もできてしまう。

では、望月がツアーレベルでコンスタントに勝利を挙げるには何が必要だろうか。1つはサービスの強化だろう。今季、望月はツアーレベル(※統計にデビスカップは含まれない)でファーストサービスのイン率が50パーセントとなっている。これはツアーレベルで4試合以上を行った103人の選手の中で最下位となっている。

ファーストサービス時のポイント獲得率は65パーセントで103人中93位。セカンドサービス時のポイント獲得率は46パーセントで95位となっている。望月を下回る選手は望月同様に今季ツアー大会で苦戦している選手がほとんどで、今季コンスタントにツアーレベルで活躍する選手たちのファーストサービス時のポイント獲得率は70パーセント、セカンドサービス時のポイント獲得率は50パーセント前後となっている。

唯一今季ツアー大会で10勝4敗と好成績を残しているS・バエス(アルゼンチン)のみがファーストサービス時のポイント獲得率で望月を下回っているが、バエスの場合は望月が最下位のァーストサービスのイン率が74パーセントで103人中堂々の1位。確率重視のファーストサービスのため、ポイント獲得率は低い水準となっている。

さらに望月はダブルフォルトも多く、サービスゲームで苦戦する要因となっている。

また、ツアーレベルの試合になると、ストローク戦で望月が攻撃に転じようとサイドライン際に狙ったボールのわずかなアウトやネットミスが目立つ。チャレンジャー大会ではこれが決まり、その後のネットプレーへとスムーズに移行できることがツアー大会よりも多いことから、ツアーレベルの選手たちの球威に対し、わずかなずれが起きていると言える。

これらの課題について、誰よりも理解しているのは望月本人だろう。

厳しい見方をすれば、現状のままだと相手との噛み合わせでいくつかの大会ではトップ選手を倒し上位に進出する可能性はあるが、コンスタントに結果を残して世界ランキングでトップ50、さらにその上の世界の常連選手となることは難しい。

しかし、今後の可能性がないかと問われればそんなことはない。

事実として望月はファーストサービス時のポイント獲得率でおよそ70パーセントから80パーセントを記録し、上位選手を撃破して2023年の木下グループ ジャパンオープンテニス チャンピオンシップスでは4強、昨年のアルマトゥイ・オープンでは8強入りした実績がある。

残すはこの実力を常に発揮するのみ。

それが最も難しいのは言うまでもないが、もがきながら課題を解決していき、上位選手相手に安定した戦いができるようになれば、望月の未来には大きな希望がある。


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