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元女王グラフ「まだまだ残されている」、現女王セリーナを予測

女子テニスで22度のグランドスラムタイトルを手にし、30歳で怪我などを理由に引退した元世界ランク1位S・グラフ(ドイツ)が、このまま健康でさえいれば現在世界ランク1位のS・ウィリアムズ(アメリカ)がグランドスラム最多優勝回数を塗り替えるだろうという予測を立てている。

今季最後のグランドスラムである全米オープンで、自身17回目の四大大会優勝を飾ったセリーナは、M・コート(オーストラリア)が持つ 史上最多優勝回数の24回を塗り替える可能性があると語った。

「彼女(セリーナ)には、まだまだテニス人生が残されている。彼女がこれまでの歴史に刻まれた様々な記録を塗り替えるのが容易に想像出来る。今の彼女を倒せるような戦いが全く考えられない。」

9月26日に32歳になったセリーナは、C・エバート(アメリカ)M・ナブラチロワ(アメリカ)の持つグランドスラム最多優勝歴代4位記録の18回にあと1つと迫っている。

「今の彼女は、体もしっかりフィットしている。とても強くてパワフルなテニスをしている。彼女は対戦相手を上回るプレーを見せてくれているし、そしてそれを何度も行っている。」

グラフは男女通じて唯一の年間ゴールデン・スラムを達成した選手だった。それは1988年に4度行われるグランドスラム全てと、ソウル・オリンピックでの金メダルを獲得していた。

グラフの現役最後の年となった1999年には、当時17歳だったセリーナと2度の対戦があった。全豪オープン前哨戦のシドニーではグラフが勝ち、準グランドスラムと言われるインディアンウェルズではセリーナに軍配があがった。その試合はグラフにも思い出に残るものだと言う。

「とても強いエネルギーと、意志の強さを感じた。それは彼女と対戦する事への脅威のような威圧感だった。コートで激しいエネルギーを感じたのを覚えている。どのポイントも奪おうとして、もっと攻撃的にならなければいけないと言うプレッシャーを感じてしまった。若い頃から彼女や姉のV・ウィリアムズ(アメリカ)は、本当にコートでの強い存在感を持っていた。」

グラフが現役時代、歴代3位となるツアー107回の優勝を飾った。歴代1位はナブラチロワの167回、2位はエバートの154回だった。そして全盛期と言われた1988年から1989年には、8回のグランドスラムのうち7回の優勝を飾った。

セリーナの今後について、グラフは「これからの数年間を、彼女がどれくらい肉体的にも精神的にも万全な状態でいられるのかによると思う。過去に彼女ほどのレベルでここまでプレーを続けた選手はいなかったと思う。今後の彼女にも興味を持って見守っていきたい。」と、期待を寄せていた。

そして「彼女は今年、試合中に彼女が持っているもの全てを上手く1つにして戦っていると感じた。内面の冷静さも見つけ出したように見えた。」と、セリーナの成長ぶりにも目を細めていた。

グランドスラム最多優勝回数の24回を塗り替えるには、セリーナがあと8回の優勝が必要になる。つまり、少なくとも2年以上の月日を要する計算になる。しかし、グラフは今のセリーナを見ているとそれは十分可能だと感じている。セリーナは今後、このグラフの期待通り歴史を塗り替える事が出来るのだろうか。


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(翻訳・記事/弓削忠則)
(2013年10月12日13時11分)

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