男子テニスの木下グループ ジャパンオープンテニス チャンピオンシップス2026(日本/東京、ハード、ATP500)は6日、同大会で現役最後の試合を終えた元世界ランク4位の錦織圭の功績を称えるセレモニーを実施。錦織の元コーチであるM・チャン(アメリカ)も出席し、労いの言葉を送った。
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36歳で今季限りでの現役引退を表明している錦織は1日、現役最後の公式戦となったジャパンオープン1回戦で敗れ、現役生活に幕を下ろした。
この日行われたセレモニーには、2014年の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)で錦織を準優勝に導いたチャン氏も登場。錦織のキャリアを振り返り、スピーチを行った。
【マイケル・チャン スピーチ全文】
本日、ケイの引退セレモニーでこうして話をすることができ、大変光栄に思います。ケイだからというだけでなく、コート上で成し遂げてきた数々の素晴らしい功績、そしてコート外で積み重ねてきた努力を、間近で見てこられたことを光栄に思うからです。
ただ、フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マレー、ワウリンカといった男子テニス界でも最も厳しい世代の選手たちとケイが戦ってきたことについて、ここで時間をかけて話すつもりはありません。皆さんもすでにご存じですし、ケイがテニス界最高峰の舞台で彼ら全員に勝ったこともご存じでしょう。
私が皆さんに伝えたいのは、ケイには、普通の選手にはない資質があるということです。ケイは非常に才能に恵まれたアスリートです。それに加えて、これほど早く物事の考え方や教えを吸収する選手を、私はこれまで見たことがありません。
「選手が成功できたのはコーチのおかげかもしれない」と言う人もいるでしょう。しかし実際には、コーチにできることには限界があります。最後に努力するのは選手自身です。人とは違うことをやる覚悟を持つのも選手自身です。そして、何か素晴らしいことを成し遂げられると最終的に信じなければならないのも選手自身であり、コートに立って、勝負を決めるショットを打つのも選手自身なのです。
最高の選手の一人になるためには、トップ選手はコート上であらゆるプレッシャーに対処しなければなりません。それだけでなく、スポンサー、ファン、メディア、そして国を代表することによって生じる注目や期待にも向き合わなければなりません。それがチャンピオンたちが経験しなければならないことです。それがチャンピオンたちが対処しなければならないことです。そして、それをケイはキャリアを通じてやり遂げてきました。
私がケイと仕事をしてきたすべての年月を振り返っても、ケイが私に「マイケル、それはやらないよ」と言ったことや、「それは試してみない」と言ったこと、あるいは「それは僕には難しすぎる」と言ったことを、一度も思い出せません。成功に必要な厳しい努力から決して逃げませんでしたし、キャリアを通じて直面した困難に屈することも決してありませんでした。
彼は不平を言いませんでした。耐え抜きました。そして、その忍耐力と逆境に負けない強さこそが、ケイをファイナルセットで最も手ごわい選手の一人にしたのです。そのことは、彼の記録が証明しています。
ツアーでプレーして勝つことが楽しいということは、私自身がまず認めます。本当に、とても楽しいことです。しかし、ケイのように才能のある選手を指導することも、ものすごく楽しいことでした。
私たち家族は、ケイと一緒に大会を転戦したこと、カリフォルニアの自宅にケイを迎えたこと、そして私たちの息子マイケルが生まれてわずか2日後にも、ケイを自宅に迎えたことを、これからもずっと覚えているでしょう。そして、若者だったケイが、今日の姿へと成長していく姿を見守ってきました。今ではケイ自身が、愛し、大切にしていく美しい家族を持っています。
ただ、ケイについて一つだけ、面白い心残りがあります。それは、ケイが私に日本語を一言も教えてくれなかったことです。
実際、日本人のテニス選手仲間から「マイケルは日本語を話せるの?」と聞かれたとき、ケイはこう答えていたそうです。「いや、彼は日本語を何も理解できないから、何を言っても大丈夫だよ。何を話しているのか分からないから」と。
ありがとう、ケイ。
ケイ、本当に素晴らしいキャリア、おめでとう。あなたとご家族には、誇りに思うべきことが本当にたくさんあります。この10年以上にわたって、あなたのコーチであり友人でいられたことを光栄に思います。そして、これからの人生の次の章で、神があなたのためにどのようなものを用意しているのかを見るのを楽しみにしています。
私たちチャン家一同、ケイとマイ、そして素敵なお子さんたちのこれからの年月が、最高のものとなることを心から願っています。
ケイ、おめでとう。
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