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マレー 選手の政治的発言に言及

アンディ・マレー
アンディ・マレー
画像提供: ゲッティイメージズ
イギリス放送協会BBCは17日、公式サイトで元世界ランク1位のA・マレー(イギリス)のインタビューを掲載した。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大による大会の中止やSNSの発達により、スポーツ選手の発言が注目されることが増えた1年と総括。なかでも女子テニスの大坂なおみやサッカーのマーカス・ラシュフォード(イギリス)の行動に言及している。

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世界ランク122位のマレーは今季、8月のW&Sオープン(アメリカ/シンシナティ、 ハード、ATP1000)で臀部の負傷から復帰するとF・ティアフォー(アメリカ)A・ズベレフ(ドイツ)を破り3回戦に進出する活躍を見せた。その後は早期敗退が続いているものの、安定したツアーへの出場ができている。

インタビューでマレーは2020年を「多くのアスリートが発言したことで、変化を促すという点ではこれまでとは違っているように感じる」とコメント。

「それは、ソーシャルメディアが普及していることと、多くのアスリートがロックダウン(都市封鎖)のためにスポーツから離れて時間を過ごしていたこと。そして自分の行動を省みる自由な時間を持っていたという事実が相まっているからかもしれない。いずれにせよ、特定の原因について情熱的な人々を見るのは素晴らしいこと。僕らは彼らの人格に別の側面を知ることができるんだ」

「僕はいつも自分のプラットフォームを使って、間違っていると感じたことを指摘してきた。モハメド・アリは僕のヒーローの1人、彼がスポーツ以外の問題を受け入れ、自分が信じていることから逃げない方法が好きだったんだ。スポーツ選手はスポーツで成し遂げたことよりも、こうした貢献の方が重要なこともある。アスリートの中には、巨大なプラットフォームを持っていて、ある問題への認識を高める手助けをすることができる人もいる」

マレーは問題の一般認識を高めた存在として女子世界ランク3位の大坂とサッカーマンチェスターユナイテッド所属のイングランド代表マーカス・ラシュフォードの活動に言及した。

「テニスでは、大坂なおみが8月のウェスタン&サザンオープンの準決勝でプレーしないことを決めた。個人のアスリートとして、自分でプレーしないという決断をする機会がある。なおみは、起こったことについて非常に強い感覚を持っていた。彼女や他のアスリートたちが重要な役割を果たし、発言しているのを見るのは素晴らしいこと。内気で内向的な大坂がテニスの新リーダーになるための声をどのように見つけたかを見守らなければいけない」

23歳の大坂はW&Sオープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、WTAプレミア)の準決勝に進出していたもののウィスコンシン州で起きた黒人男性が背後から銃撃された事件を受けて、抗議のため同試合の棄権を公表。その後大会側が全試合の一時中止を発表し延期措置を行っていた。大会はその後無事に再開。大坂は負傷のため棄権したものの、準優勝を果たした。

また、ラシュフォードに関してマレーは、自身がラシュフォードと数回にわたりオンラインでのコラボ動画を出したことについて触れ、イングランド代表FWの行動に感動したことを語った。

「今年の初め、イギリスでの最初のロックダウンの時に話をしたマンチェスター・ユナイテッドのマーカス・ラッシュフォードにもその行動が見られた。みんながクイズをやっていたとき、僕らは互いにそれぞれのスポーツについての質問をするという楽しいチャレンジに参加したんだ。その他にも学校給食の無料チケットの配布を求める彼のキャンペーンについても話しをした。マーカスは本当にいい人で、彼が自分の声を使って変化をもたらすことができたのは本当に素晴らしいことだと思う。学校給食の重要性は彼自身が経験したことで、とても情熱的なこと。彼らは低所得家庭のために何百万ドルもの寄付金を集めてきたんだ。それは素晴らしいことだと思う」

「マーカスやなおみのようなアスリートは賞賛されているが、ソーシャルメディア上では彼らの投稿に『スポーツに専念しろ』と返信する人もいる。それは不公平だ。誰にでも意見を言う権利はあるはずなんだ。誰もが自分の言うことに同意するわけではないけど、誰かを傷つけたり、誰かを苦しめたりしていない限り、声を上げることを止めるべきではない。一部の人は必ずしもそうではないと思うかもしれないけど、僕は自分のできるところで自身の答えや意見を発信しようとしている」

「僕の意見に反対する人もいるだろうけど、それはそれで構わないと思っている。納得できないことがあれば、その理由を説明することを恐れずに言う。それが僕のやり方だけど、もちろん攻撃的にならないようにしているよ。これまでも、特に男女平等について発言するために僕のプラットフォームを利用してきた。それはこれからも続けていくつもりだ。それをなぜ発信するのか?それは公平だと思うから。それ以上のことはない。ある意味では過激と見られているけど、実際は違うと思う。肌の色や性別に関係なく 誰もが同じように扱われるのは公平なことだ。僕にとってはとても基本的なことだと思う」

最後にマレーは2014年から2016年にかけてコーチ関係を結んでいたA・モレスモ(フランス)とのエピソードについて語った。

「モレスモと一緒に仕事をしていたときにスポーツにおける性差別を経験した。男性の僕のコーチを女性のモレスモが担当するんだからね。その後、僕はもっと多くのことに気付いたんだ。もしかしたら、極端にあからさまではないかもしれないが、そこには差別があったのかもしれない。これからも変化していってほしい。時間が必要だという人もいるが、なぜ今待つ必要があるのか。意思決定をする立場にある人がその気になれば、すぐに変えられることが多い。多くの人は、すぐに変化を起こすことに消極的で徐々に起こしていきたいと考えているみたいだ。今年は、若い世代の多くのアスリートたちがそれを受け入れず『スポーツに固執する』ということもしないことを示している。彼らは発言の場を持ち、その立場を利用して社会の変化に影響を与えようとしている。それはスポーツにとっても社会にとってもプラスにしかならないよ」

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