テニスの全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は10日、男子シングルス決勝が行われ、2013年以来4年ぶり3度目の優勝を果たした第1シードの
R・ナダル(スペイン)は、会見で「またこうしてここでトロフィーを掲げられるのは、特別な意味がある」と喜びを語った。
>>全米OP対戦表<<「とてもハッピー。最高の2週間だった。テニスのレベルも、自信も高められた。自分のプレーにはとても満足しているし、プレッシャーに上手く対処できたのも満足している。」
決勝戦、世界ランク1位のナダルは第28シードの
K・アンダーソン(南アフリカ)と対戦し、序盤から主導権を握ると最後までブレークチャンスを与えず、6-3, 6-3, 6-4のストレートで勝利。
今大会、ナダルは1回戦で
D・ラヨビッチ(セルビア)、2回戦で
ダニエル太郎、3回戦で
L・メイヤー(アルゼンチン)、4回戦で
A・ドルゴポロフ(ウクライナ)、準々決勝で
A・ルブレフ(ロシア)、準決勝で第24シードの
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)、そして決勝でアンダーソンを下し、全試合でわずか3セットしか落とさずにタイトルを獲得した。
試合後、ナダルは「ケヴィン(アンダーソン)は試合を通してずっと攻撃的なプレーをしていた。自分も安定したサービスゲームをプレーできていた。何本も何本もボールを返したし、それを目標にやっていた。なるべく長いラリーに持ち込もうとした。自分の方がフットワークは良いと思っていたから」と、振り返っていた。
近年怪我に苦しめられていた31歳のナダルは、2014年の全仏オープン以降グランドスラムのタイトルからは遠ざかり、昨年はシーズンを早く終えて休養にあてていた。
しかし、今季は復帰後の全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)で準優勝、全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)では史上最多10度目の優勝を果たし、今大会で四大大会2勝目をあげるなど見事なカムバックを果たした。
「もちろん今年は特別な1年。何年もグランドスラムでの優勝がなかった。2014年と2016年は怪我に泣かされていた。2015年は精神的に落ちていた。何年もこのレベルでプレーができずにいながら、こうしてまたとても高いレベルのテニスを取り戻せたのはとても嬉しく感じている。」
「これまでの日々を支えてくれた全ての人々に感謝の気持ちを伝えたい。最高のチームと最高の家族がいて、サポートしてくれて信じてくれている。それは大きな助けになっている。彼等がいなかったら、成し得なかった。」
今回の優勝で、グランドスラム・タイトルを16へ伸ばしたナダル。ライバルで世界ランク2位の
R・フェデラー(スイス)は四大大会歴代最多19勝を誇る。
フェデラーとの関係については「ライバル関係はあまり考えてはいない。自分は自分の道を行くし、彼は彼の道を行っているだけ。シーズンをどう締めくくるかがこれからの課題。彼も今年は2度のグランドスラム優勝を飾っていて、まだ来年もある。彼は19で自分は16。3つの差はとても大きい。そのことはあまり考えてはいない」とナダル。
続けて「今はこうしてまたここでトロフィーを掲げられたことがとても幸せ。ハードコートでまた勝てたのは大事なことだし、大きなエネルギーになっている。健康でいれば、色んなことが可能になる。怪我をしていると全てが不可能に思える。31歳なのも事実だが、まだテニスへの情熱は持っている。まだ戦っていたいし、コートへ立つと緊張もする。そんな感情がある限り、まだまだコートには立つだろう」と今後について語った。
今後、ナダルは10月2日から開幕のチャイナ・オープン(中国/北京、ハード、ATP500)に出場予定。
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