テニスから汚職や八百長などの不正行為を排除するために設置されたテニス保全団体のTIUは9日、オーストラリア人3選手に対して、ツアー下部大会出場中に不正行為が認められたとし、各選手へ下した処分を発表した。
N・リンダール(オーストラリア)は、7年間の出場停止処分と35,000ドル(約403万円)の罰金、B・ウォーキン(オーストラリア)には6ヶ月の出場停止処分、I・フロスト(オーストラリア)にはTIUの調査に協力しなかった事に対して11ヶ月の出場停止処分が下された。
この3選手には、2013年9月にオーストラリアはクィーンズランド州トゥーウーンバで開催されたITF管轄のフューチャーズ大会で不正行為があったことが確認されている。
TIUによる調査と共に、独立してテニス界の腐敗防止に向けて審査をしているR・マクラーレン審査官による公聴会の結果によってこの処分が決められた。
世界ランクで自己最高位187位を記録したリンダールは、全てのプロテニスに関することに7年間携わることができず、加えて35,000ドルの罰金が科された。大会の結果を故意に操作した事に対して処罰が下され、さらにTIUの調査に協力しなかった事案も加えられた。
リンダールは、試合に負けることで代わりに現金を受け取る約束をしていた。2013年10月、彼はTIUから要求があった自身が使用していた携帯電話の提示を拒否していた。いずれもテニス腐敗防止プログラムに違反するものだった。
現在28歳のリンダールは2013年をもって引退してはいるものの、今回の処分によりその後7年間は復帰の道が閉ざされることとなった。同時にその期間は、公的テニス組織が主催するテニス大会やイベントへの参加、観戦も禁止されている。
他の2人もリンダールの不正行為に関与したことが、マクラーレン審査官によって明らかとなった。
現在22歳で、世界ランク1,067位のウォーキンも、試合結果を故意に操作した行為に対しての処分となった。ウォーキンには6ヶ月の出場停止処分が下され、その期間でそれ以上の違反行為が認められていないため、現在はプロとしての活動に制限は科されていない。
また、現在28歳で世界ランク1,515位のフロストは、調査期間中に、自身の携帯電話を分析するためにTIUへの提示を求められたが、それを拒否したことに対しての処分だった。
フロストは、2013年10月3日から2014年9月4日までの出場停止処分が下されていたが、マクラーレン審査官は、それ以上の処分や罰金は科されないとしている。そのため、現在はプロとしての活動に制限は科されていない。
TIUは、テニス界の腐敗行為撲滅を目指すグランドスラムの役員、ITF、男子プロテニス協会のATP、女子プロテニス協会のWTAによって発案された組織である。
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