女子テニスのBNPパリバ・オープン女子(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、プレミア・マンダトリー)は20日、シングルス準決勝が行われ、第1シードの
S・ウィリアムズ(アメリカ)が第13シードの
V・アザレンカ(ベラルーシ)に4-6, 4-6のストレートで敗れて準優勝に終わった。
決勝、季節外れの32度という暑さの中で戦っていたセリーナは、33本ものイージーミスを犯すなど、らしからぬプレーだった。
第1セットを奪われ、第2セットも序盤でブレークされてしまったセリーナは、ゲームカウント0ー3とした後のコートチェンジでベンチに戻ると、イライラからラケットを叩きつけてる場面もあった。
ゲームカウント1ー5から反撃に出たセリーナは、そこから3ゲームを奪い、アザレンカのサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップでも2本のブレークポイントを握ったが取りきれず、そこから3連続ミスで自滅とも言える敗戦を喫した。
セリーナは「もしかしたら、予測しかねなかった緊張のせいだったのかも。またこの舞台に立てるとは思っていなかった。」と語っていたセリーナは、14年間の欠場の末、昨年今大会へ復活していた。
1999・2001年と2度優勝しているセリーナ。もし、この日勝利を飾っていたら、今大会で初めて3度の優勝を飾る女子選手となるはずだった。
最後に優勝した2001年の決勝戦では、
K・クレイステルス(ベルギー)から勝利を飾るも観客から大ブーイングを浴びせられていた。
その前の準決勝でセリーナは、姉の
V・ウィリアムズ(アメリカ)と対戦するはずだった。しかし、ヴィーナスは試合直前に膝の怪我を理由に棄権。当時、姉妹対決を期待していた観客からは大きな不満の声があがると同時に、コーチでもあった父親のリチャードはその時、人種差別的な言葉も聞いたと語っていた。
「あれはテニス人生で最悪の瞬間だった。恐らくではなく、確実にそうだった。」とセリーナは振り返り「またこの舞台に立てると思っていなかった。今回の決勝戦は、前と本当に違って特別なものだった。感極まってしまい、緊張に包まれてしまった。」と思いを述べていた。
この日の試合、ヴィーナスは観客席からセリーナの試合を観戦していたが、セリーナの不安定なプレーに時おり顔をしかめていた。ヴィーナスは初戦となった2回戦で
奈良くるみ(日本)に敗れて姿を消しており、今大会はヴィーナスにとって2001年以来の出場だった。
セリーナは2015年からこの大会へ復帰していたが、昨年は準決勝で膝の怪我のために棄権を申し入れていた。この日、大会主催者から準優勝トロフィーを授与され、ヴィーナスと共に大会へ戻ってきてくれたことへ感謝の言葉を贈られると、セリーナは涙に暮れていた。
「応援本当にありがとうございました。それがどれほどの意味があったか、伝えられません。」とセリーナは詰めかけた観客へ感謝の気持ちを表していた。
一方、優勝したアザレンカにとって、この日のセリーナからの勝利は2013年8月のシンシナティ大会決勝戦以来のことだった。21日発表の最新世界ランクでは、7つ順位を上げて世界ランク8位へと浮上。これは2014年8月ぶりとなるトップ10への返り咲きとなる。
2012年にも同大会で優勝しているアザレンカは「向かっていかなければならなかった。彼女(セリーナ)のような選手相手では、安全なプレーをしていたら簡単にはいかないから、コートへ立って自ら戦わなければならなかった。」と気持ちを表していた。
セリーナとアザレンカは今回が21度目の対戦。これで両者の対戦成績は、アザレンカから4勝17敗となった。
(STATS - AP)
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