テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)で12日に行われた男子シングルス決勝戦で、第2シードの
R・フェデラー(スイス)を下して大会2連覇と同時に自身9度目のグランドスラム優勝を飾った第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)は、試合翌日に開かれた会見に臨み記者からの質問に答えていた。
今季、他を圧倒するような強さを見せているジョコビッチは、このペースを維持するのは困難だとしながらも、これまでの20度のグランドスラムを振り返ると、その内15度決勝へ進み、8度で優勝を飾っていた。その8度の優勝で対戦したのはフェデラーが2回、ナダルが3回、
A・マレー(英国)が3回となっている。
決勝戦後に行われた表彰式でフェデラーは「ノヴァーク(ジョコビッチ)が素晴らしいプレーをしたのは今日の試合だけではない。この2週間、そして今シーズン、そして去年、そしてその前のシーズンもそうだった。」とジョコビッチの安定した強さを称賛していた。
もしジョコビッチが全仏オープンの決勝戦で
S・ワウリンカ(スイス)に敗れていなければ、2011年に優勝経験のある全米オープンへ向けて年間グランドスラムをかけた戦いとなるはずだった。それは今の
S・ウィリアムズ(アメリカ)のように。
ワウリンカからの敗戦は、ジョコビッチの生涯グランドスラムの夢を阻むものとなっていた。しかし、その辛い敗戦からの落胆した気分からもすぐに立ち直りを見せていた。
「3・4週間前の自分の気持ちや精神状態を考えると、こうしてウィンブルドンのチャンピオンとして今の自分がいることは、まさに驚きだと言える。」とジョコビッチ自身も驚きを隠せずにいた。
ジョコビッチはウィンブルドンを7度制したフェデラーをそのウィンブルドンで下したばかりか、全仏オープンを9度制したナダルを全仏オープンの舞台で下した選手となった。おまけに、それを1ヶ月に満たない期間で成し遂げたのだ。
「そう言われると、それは本当にすごい事を成し得たと言える。そんな事は考えていなかった。でもとても気分の良いものだね。その2人に、その2人が最も得意とするサーフェスで勝つことは、最高のチャレンジだと思う。」
ジョコビッチの優れているところは、テニス界きってのリターンの巧さを誇り、ベースラインでの賢さ、それに加えて俊敏さとスライドしながらボールを捕らえ、どんな体勢からもボールを返球するボディーバランスの良さを兼ね備えていること。特にジョコビッチが近年努力していたのがその体の使い方だった。
そしてコーチとして元世界ランク1位の
Bo・ベッカー(ドイツ)をチームに招いたのも、メンタル面での強さやサービスの向上など、多岐に渡り改善させるためだった。
日曜日の決勝戦でも、フェデラーに握られた7度のブレークポイントを6度凌ぐなど、ジョコビッチのサービスはこれまでにないほど彼のテニスに有効に働いている。そのことから、今後はよりネットへ詰めるプレーをする事も視野に入れていると語っていた。
「常に何かしら改善させようとしているんだ。」とジョコビッチ。「そして自分のテニスがもっと高いレベルに行けると信じているんだ。」と、世界の頂点に君臨しながらも、更なる高見を目指していると今の気持ちを語っていた。
(STATS - AP)
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