24日から開幕するテニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー)の男子ドローが22日に発表、会場がどよめいた。それは第1シードで王者
N・ジョコビッチ(セルビア)と全仏オープンで最多9度の優勝を誇る第6シードの
R・ナダル(スペイン)が死のブロックの組み合わせとなったからである。
誰もが驚く今回の組み合わせ、ジョコビッチとナダルは順当に勝ち進むと準々決勝で激突する事となる。両者は過去43度対戦しており、全仏オープンだけでも6度顔を合わせている。同大会だけで見るとナダルが6戦全勝。
特に2013年の準決勝が記憶に残る激闘となった。
この試合、ナダルがはリードするもジョコビッチに挽回され、勝負の行方はファイナルセットへ。ここでもナダルが一時リードするが、またしてもジョコビッチの驚異的な追い上げにより、どちらに勝利が転がり込んでもおかしくない状況に。
しかし、スマッシュミスやネットタッチに動揺したジョコビッチの隙をついたナダルが、最後一気に攻め立てて、6-4, 3-6, 6-1, 6-7(3-7), 9-7のスコアで振り切った。
勝利の瞬間、ナダルは自らのウエアを噛み、人差し指を立てて喜びを爆発させた。
だが、今年は状況がこれまでと明らかに違う。
世界ランク1位のジョコビッチは、今年圧倒的な強さを見せつけている。全豪オープンで2年ぶりの優勝、出場したマスターズ4大会(インディアンウェルズ・マイアミ・モンテカルロ・ローマ)でタイトルを獲得。
唯一グランドスラムで優勝していない全仏オープンでジョコビッチがタイトルを獲得した場合、念願の生涯グランドスラム達成(全豪・全仏・全英・全米の四大大会全てで優勝)となる。
対照的に、今年ナダルは得意のクレーコートシーズンで好成績を残せていない。2月のブエノスアイレス大会で優勝を飾るも、全仏オープンの前哨戦であるモンテカルロ・マドリッド・ローマのマスターズ大会で、以前は少なくとも1大会は必ず優勝して全仏オープンに出場していたが、今年は前哨戦3大会で無冠。
過去の全仏オープンで両者は決勝だけでも2度対戦しており、ナダルが優勝を飾っている。その2試合は根負けしたジョコビッチが、最後ダブルフォルトを犯してのゲームセットとなっている。
ナダルは全仏オープンでの戦績を66勝1敗としており、2005年に初出場してから、たった1敗しかしていない。その1敗は2009年の4回戦で、
R・ソダーリン(スウェーデン)に敗れた。
今大会優勝候補ナンバー1のジョコビッチ、パリの地と相性抜群のナダルの準々決勝が実現した場合、今大会の目玉の一つである事は間違いない。
また、球足が遅く、ラリー戦が続く事が多い全仏オープンは波乱が起きる事でも有名な大会。時には誰もが予想していない選手が勝ち上がるケースもある。
2000年から見た全仏オープンでは、
M・フェルケルク(オランダ)、
G・ガウディオ(アルゼンチン)、
M・プエルタ(アルゼンチン)がノーシードから決勝進出を果たし、世界に衝撃を与えた。
>>全仏オープン男子ドロー表<<
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