24日から開幕するテニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー)で前人未到10度目の優勝を狙う
R・ナダル(スペイン)。しかし今年、これまでと違う状況で今大会に臨むナダルは不安視されている。
今季ナダルは、これまで好成績だったクレーコートシーズンで思うような結果を残す事が出来なかった。2月のブエノスアイレス大会で優勝を飾るも、全仏オープンの前哨戦であるモンテカルロ・マドリッド・ローマのマスターズ大会で、以前は少なくとも1大会は必ず優勝して全仏オープンに出場していたが、今年は前哨戦3大会で優勝を飾る事が出来なかった。
モンテカルロ・マスターズではこれまでとは違う黒塗りのラケットを使用。ナダルは準決勝で
N・ジョコビッチ(セルビア)にストレートで敗れるも、手応えを感じていた。
その後、マドリッド・マスターズでは絶好調とも言える状態で決勝へ。かつての力を取り戻したかのように見えた。
しかし、決勝
A・マレー(英国)戦でのナダルは違った。得意のフォアハンドが3メートルほどアウト、普段ではミスを犯さないようなボールをネットにかけるなど、これまであまり見た事がないようなミスを連発。挽回しようとポイントをとるたびにガッツポーズをつくるなど自分を奮い立たせたが、反撃の策を見出すことが出来なかった。
ローマ・マスターズでは準々決勝で
S・ワウリンカ(スイス)にストレートで敗れた。第1セットのタイブレークでリードしていたナダルだったが、タイブレークでは1本のミスからワウリンカに試合の主導権を与えてしまい、第2セットは一気に失速した。
クレーコートであればナダルは「負けない」というイメージが強かったが、今年は周りからの視線がこれまでと違う状況だ。
2005年に初出場してから昨年まで第4シード以上で出場していた全仏オープンに、今年は初となる第5シード以下での出場。
さらにマドリッド・マスターズ後に発表された世界ランキングで、2005年5月以来10年ぶりのトップ5転落となる7位となった。
ナダルが全仏オープンで唯一敗れたのは2009年で、その時は
R・ソダーリン(スウェーデン)にまさかの敗戦を喫した。そのソダーリン戦以外は全て勝利しており、全仏オープンの通算成績を66勝1敗としている。
今回は第5シード以下で出場するため、念願の生涯グランドスラム達成(全豪・全仏・全英・全米の四大大会全てで優勝)を狙うジョコビッチ、永遠のライバル
R・フェデラー(スイス)、マレー、さらに日本のエース
錦織圭(日本)ら強豪と早いラウンドで対戦する可能性がある。
全仏オープンだけで9度の優勝、グランドスラムで14度のタイトル獲得、さらに2008年の北京オリンピックでは金メダルを獲得しており、現役選手でゴールデンスラムを唯一達成しているのがナダル。
戦い方を知り尽くしている赤土のコートで、ナダルに奇跡は起きるのか。
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