男子テニスで世界ランク5位の
錦織圭(日本)が、24日からの全仏オープンでグランドスラム初のタイトル獲得を狙う。今季のクレーコートシーズンで好調な錦織は、先日のBNLイタリア国際男子で王者
N・ジョコビッチ(セルビア)を吠えさせるほどの強さを見せており、全仏オープンでの活躍に期待がかかる。
BNLイタリア国際男子で2連覇を達成した世界ランク1位のジョコビッチ。
N・アルマグロ(スペイン)、
T・ベルッチ(ブラジル)、錦織、
D・フェレール(スペイン)、
R・フェデラー(スイス)に勝利したジョコビッチが、大会を通して一番苦戦を強いられたのは準々決勝の錦織戦。
それを象徴していたのが、ジョコビッチの雄叫びだ。両者1セットずつ奪い、勝敗がかかる第3セットの第4ゲーム、ここでジョコビッチは錦織を前後左右に揺さぶってミスを誘いブレークに成功。その瞬間、ジョコビッチは雄叫びをあげて、喜びを爆発させた。
その後、ジョコビッチの強打にミスを連発した錦織は1時間48分で敗れたが、試合後に「懸命に戦った。」と、自身のフェイスブックでコメントしていた。
全仏オープンに向けて「王者ジョコビッチを苦しめた」という自信を持つ事ができた。
今季のクレーコートシーズンで錦織は、バルセロナ・オープン・バンコ・サバデルで2連覇、昨年準優勝のムチュア・マドリッド・オープン男子では好調
A・マレー(英国)に敗れるもベスト4進出。そしてBNLイタリア国際男子でジョコビッチに善戦した。
昨年の全仏オープンで初戦敗退を喫した状況から明らかに違う今、世界中から期待が寄せられている。
さらに錦織には、全仏オープン優勝経験を持つ元世界ランク2位の
M・チャン(アメリカ)という大きな味方がいる。
1989年の全仏オープンで175センチの小柄なチャンは、
P・サンプラス(アメリカ)、
I・レンドル(アメリカ)らを次々破る快進撃で決勝へ。特に4回戦のレンドル戦ではアンダーサーブを打つなど、意表をつくプレーに加え、俊敏なフットワークと粘り強いテニスで世界を驚かせた。
決勝では
S・エドバーグ(スウェーデン)に勝利し、グランドスラム初のタイトル獲得した。17歳3カ月で優勝したチャンの優勝は男子シングルスのグランドスラム最年少優勝記録で、この記録は未だ破られていない。
チャンがコーチについてから錦織のテニスは劇的に変化している。特に自分のテニスを信じさせるメンタル面と後方で打つのではなくベースライン上で打つ技術面が光る。
今年のクレーコートシーズンで得た自信、コーチ・チャンの存在という大きな武器を持つ錦織。
そして昨年の全米オープンでグランドスラム初の決勝進出。その記録を超えるには優勝しか道がない。
さらに錦織が全仏オープンで優勝・グランドスラム初のタイトルを獲得すると、頂点である世界ランク1位の座を手にする日も近くなる。
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