錦織圭(日本)の活躍を初期から追い続け、1973年から国内外のテニスの報道に携わるジャーナリスト・塚越亘氏による全豪オープンの現地レポート。
世界ランク5位、グランドスラム大会を第5シードとして臨む全豪オープン。
初戦の相手は
N・アルマグロ(スペイン)だった。
「(全豪オープンのドローの中で)この1回戦でのタフさではトップだと思う。」と言う錦織圭。
ドローが決り、練習の時から緊張感が漂っていた。
入場時の錦織圭
試合前に写真を撮る錦織とアルマグロ
そんな心配は必要ない、錦織がサービスの第1ゲームでいきなりファースト・サーブはアングルにエースを決める。
と思ったが15-40とピンチに。
3つのブレークポイントは逃れるが、4つ目のブレークポイントをアルマグロにバックのアングルウィナーを決められ、オープニングゲームを落とす。
第2ゲーム、アルマグロに216キロのサービスエースを2本決められ40-0、1ポイントは返すが0-2のスタートだ。
「最初は慎重に入った。1回戦の最初から出し切るのは難しい。」と錦織。
世界9位になった事のあるアルマグロはしぶといプレーをする。
0-2、これは大変だ!
3時間を越すドロ試合になるのでは、ひょっとしたら初戦で足元をすくわれてしまうのではと心配したが、シーズンオフをしったかりとした練習とトレーニングで過ごした錦織は2時間7分でしっかり勝利した。
まずは錦織がサービスの第3ゲーム、連続のサービスエースでキープする。
第4ゲーム、錦織は非常に落ち着いている。自分からのミスがない。
2-2とブレークバックした。
錦織の第5ゲーム、15-40のピンチをサービスからフォア逆クロスウィナー。
3-2とキープ。このゲームは大きい。
第10ゲームをブレークし、6-4で第1セットを取る。
「第1・2セットは先にブレークされて、プレッシャーをかけられたが、すぐにブレークバックして、リターンが良くなってきて、逆にプレッシャーをかけられた。」と錦織。
第2セットも先にサービスゲームを落とすが、第8ゲーム、9回のデュースに末にブレーク、5-3とする。
「第2セット、長いゲームをブレークした後に自分のゲームを落としたのが、一番反省すべきポイント。前のゲームに集中力を使いすぎた。これからは大事なゲームをしっかり取れるようにしたい。」
5-3からサーブを落とし心配させるが、しっかりとタイブレークを7-1で取った。
第3セットからは錦織に余裕が出てきた。「自分から攻めることができて、調子が出てきた。」と錦織。
「世界5位に対する気負いはそこまでない。そこまで気にしても仕方がないし、意味がない。」決して容易な相手ではなかったが、気合を入れこの難敵に勝利、無難に初戦を乗り越えた。
一回戦に勝って波に乗れるのではないだろうか。
全豪オープンの今年のサーフェスについて、「オーストラリアはコートがザラザラして球足が遅いというイメージがあったのですが、これまでに比べてすごく速くなっている。正直、遅いコートの方が好きですが、臨機応変に対応していきたいです。有明と同じぐらいで、ビックリするぐらい速くなっている。」
全豪オープンについて、「オーストラリアは日本人や外国人の方がたくさん応援してくれる。オーストラリア人は陽気で楽しい。やりやすい。サポートになっている。オーストラリアは好きなグランドスラムの1つ。」と答えた。
塚越亘…ジャーナリスト。1973年から雑誌などに寄稿。90年代には「TENNISJapan」というFAX新聞を発行し、試合結果速報や
松岡修造(日本)、
クルム伊達公子(日本)らの直筆コメントなどを掲載した新聞を発行。テニスの報道における草分け的存在。
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