全日本選手権で7度の優勝(最多記録)を誇り、ブリヂストンスポーツ所属プロとして多方面で活躍されている福井烈氏がブリヂストンスポーツ本社にてtennnis365.netの独占インタビューに応じた。
第1回目のインタビューでは今年飛躍を遂げた
錦織圭(日本)について話を聞いた。
【福井烈 独占インタビュー】
-Q.錦織選手の躍進についてどう考えているか?
ここまでの選手になるという予測はしていたので正直言って驚いてはいませんが、これが現実になると言葉にならないくらい飛び上がるくらい嬉しいです。ただいつかこのレベルになると思っていましたがすぐ来ました。そういう意味では日本テニスにおいて歴史的な年だと思います。正直言ってもう少し後になると思いました。もう少し苦労して、それでそれを突き抜けてトップ10に入ると思っていましたが、こんなにも早くスッとトップ5入りするのが彼の凄さ。才能、周りのサポート、運も含めて改めて凄いと思います。ただ驚いてはいません。
きっかけは全豪オープンの
R・ナダル(スペイン)戦だと思います。これを見ていけると思いました。そしてヨーロッパのクレーで勝つことは本当に強くなければできないことです。そしてナダルに勝ちそうになり、あのあたりから皆さんも凄いことになりそうな予想はしていたのではないでしょうか。
-Q.錦織選手の飛躍のきっかけは?
本人は
M・チャン(アメリカ)だと言っていて、その通りだと思います。ただ忘れてはならないのはこれまでのコーチ、そしてさかのぼってご両親の存在です。
チャンコーチが特に評価されていますが、その土台にはダンテ・ボッティーニ氏や中尾公一トレーナー、歴代のコーチ、盛田ファンドなどの全てが上手くいって、そこにチャンコーチがものすごい化学反応を起こしたのだと思います。強くなり方が尋常じゃないですよね。
チャンコーチが化学反応を起こしたけど、基礎がないと起きないので、そういう意味ではこれまでの方々ももっと評価されるべきだと思います、
松岡修造(日本)君しかり。
そして何より凄いのはご両親だと思います。あのご両親じゃないと強くなっていないと思います。13歳で海外に出して、ホームシックになるから一切個人的に連絡を取らなかったと聞いています。
全米の決勝は勝ってほしかったですが、四大大会のタイトルに日本人が手が届く位置にあって、もしかすると来年あたりあるかもしれませんね。その瞬間を見ることできると考えるとワクワクしますよね。
※インタビューの続きは12月10日に配信する。
福井烈・・・小学生の時にテニスを始め、インターハイ3連覇、アメリカ留学の後に中央大学に進み多くのタイトルを総なめにする。当時史上最年少の20歳で全日本選手権シングルス優勝し、その後3連覇を達成、史上最多7度の優勝を誇った。小柄な体格ながらも正確無比なストロークを武器に活躍した日本を代表するテニス選手。
92年から96年までデビスカップの監督も努め、現在はテニスの解説や日本テニス協会常務理事、JOC(日本オリンピック委員会)理事 選手強化本部 副本部長を務めている。
(取材協力:ブリヂストンスポーツ㈱)
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