男子テニスの上位8選手によって争われる今季の最終戦、バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ(イギリス/ ロンドン、賞金総額650万ドル)は9日、グループBの予選ラウンドロビンが行われ、大会第4シードでアジア人選手として初出場の
錦織圭(日本)が第5シードの
A・マレー(英国)を6-4, 6-4のストレートで下し、錦織はマレーから初勝利を上げ、初のツアー・ファイナルズ出場で準決勝進出に向けて大きな1勝となった。
マレーと4度目の対戦にして初めてセットを奪った錦織は、第2ゲームで先にブレークに成功し、3ゲーム連取する。
第4ゲームで錦織は3度のブレークチャンスを掴むも、マレーがサービスキープする。
錦織優勢で試合が進むが第7ゲーム、ローボレーをネットにかけ15-40としマレーにブレークバックのチャンスを与える。続くポイントでも錦織はネットに出るがマレーの低いショットを再びネットにかけブレークバックを許す。
このゲームを終え、マレーは左足ふくらはぎのマッサージを受け試合を続けた。
マレーが第8ゲームをサービスキープし、追いつかれた錦織は第9ゲーム、最後はマレーのリターンがアウトとなりサービスキープに成功する。
第9ゲーム、錦織が1ポイント目でボレーを決め、バックハンドのリターンエースで0-30と先行すると15-40の場面でマレーのボールがアウトとなり、1時間35分で勝利した。
両者は4度目の対戦となり、錦織はマレーに1勝3敗と初勝利を上げた。
【錦織vsマレー 対戦成績】
<2014年>
・ATPワールドツアー・ファイナルズ予選ラウンドロビン 勝利 6-4, 6-4
<2013年>
・スイス・インドア準決勝 敗退 4-6, 0-2, 途中棄権
<2012年>
・全豪オープン準々決勝 敗退 3-6, 3-6, 1-6
<2011年>
・上海マスターズ準決勝 敗退 3-6, 0-6
錦織は今年、2月のアメリカ国際インドアテニス選手権、4月のバルセロナ・オープン・サバデル、9月のマレーシア・オープン、10月の楽天ジャパン・オープンと4勝をあげ、ランキングをアジア人男子最高位となる5位を記録した。
5月に行われたムチュア・マドリッド・オープンではマスターズ大会初の決勝進出し、
R・ナダル(スペイン)と対戦し、第3セットで途中棄権するも中盤までナダルを圧倒し、勝利まであと1歩のところまで追いつめた。
全米オープンでは
M・ラオニチ(カナダ)、
S・ワウリンカ(スイス)、
N・ジョコビッチ(セルビア)を下し決勝に進出。決勝では
M・チリッチ(クロアチア)に敗れるも準優勝という快挙をおさめた。
先日行われたBNPパリバ・マスターズでは、準決勝でN・ジョコビッチに敗れるもベスト4に進出し、ツアー・ファイナルズの出場権を獲得した。
マレーは昨年の全米オープンとデビスカップを終え、腰の手術を行ったため昨年の同大会を欠場しており、6度目の出場となる。
《マレー腰の手術決断 復帰は2014年》今年に入り手術の影響か今季9月まで優勝が無かった。昨年4位で終えたランキングを9月には12位まで落とすが、9月に行われたシンセン・オープンで今季初優勝を飾るとエルステ・バンク・オープン、バレンシア・オープン6週間で3度の優勝を果たし、先日行われたBNPパリバ・マスターズ3回戦で
G・ディミトロフ(ブルガリア)を下し、ツアー・ファイナルズの出場権を獲得した。
今大会グループAには世界ランク1位のN・ジョコビッチ、今年の全豪オープン覇者S・ワウリンカ、
T・ベルディヒ(チェコ共和国)、錦織を下し全米オープンで優勝したM・チリッチがおり、グループBには7度目のタイトルを狙う
R・フェデラー(スイス)、錦織圭、A・マレー、M・ラオニチが出場している。
予選ラウンドロビンを1勝する度に200ポイントが付与され、各グループの上位2名が準決勝に進出することができ、決勝に進むとさらに400ポイント、優勝するとさらに500ポイントが付与され、全勝優勝の場合1500ポイント付与される。
また今大会の賞金は出場者に15万5千ドル(約1736万円)、予選ラウンドロビン1勝につき15万5千ドル(約1736万円)、全勝優勝した場合207万5千ドル(約2億3千万円)が与えられる。
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