女子テニスツアーの最終戦、BNPパリバ・WTAファイナルズ(シンガポール/ハード、賞金総額650万ドル)は25日に準決勝が行われ、第1シードの
S・ウィリアムズ(アメリカ)が第8シードの
C・ウォズニアキ(デンマーク)を2-6, 6-3, 7-6 (8-6)の接戦で下し、
S・ハレプ(ルーマニア)との決勝戦へ進み、予選ラウンドロビンでの完敗のリベンジを狙う。
この日、最初の準決勝で勝利を飾って3年連続の決勝進出を果たしたセリーナ。続いて行われた準決勝で第6シードの
A・ラドワンスカ(ポーランド)を6-2, 6-2で下して初の決勝戦の舞台へ進んだハレプは、予選ラウンドロビンでセリーナと対戦しており、セリーナはわずか2ゲームしか奪えない完敗を喫していた。
《セリーナvsハレプ WTAファイナルズ予選ラウンドロビン》16年ぶりとなる屈辱的な敗戦を味わったセリーナは「次の試合の目標は3ゲーム取ること。そこから始めようと思うの。幸運にもサービスがキープ出来たらそれはとても良い事。とりわけ、1度でもブレーク出来たらと願っているわ。」と、笑いながら冗談を交えて語った。
ここまでの4試合でわずか27ゲームしか失っていない絶好調のハレプは「また彼女に対してチャンスがあると信じるしかない。今は勝てるテニスが出来ているはずだから。決勝戦だからより緊張するはずだけど、明日の試合が待ち遠しい。だって夢が叶うかも知れないし、とにかく全力を尽くすのみ。」と気合いを入れていた。
セリーナは準決勝進出も危ぶまれていた。予選ラウンドロビンの最後の試合で、ハレプは敗れはしたものの
A・イバノビッチ(セルビア)にフルセットの戦いを見せた。もしその試合でハレプがストレートで負けていたら、セリーナは準決勝には進めていなかった。
そして準決勝で対戦したウォズニアキとは、その試合の前日に一緒にマライア・キャリーのコンサートに訪れるなど、オフコートでは親しい友人であるのは有名なこと。そして迎えた準決勝はもつれにもつれ、第3セットのゲームカウント4-5でウォズニアキのサービング・フォー・マッチを迎えるなど、セリーナはピンチに立たされていた。
「姉の
V・ウィリアムズ(アメリカ)との試合を除いて、勝った後で嬉しいと思えなかった初めての試合だった。カロ(ウォズニアキ)は本当に素晴らしい人だから本当に泣きたくなってしまったの。仲が良いし、一緒にたくさんの事もしているの。彼女は違う両親から、そして違う国から生まれた妹のような存在。」とウォズニアキへの思いも加えていた。
この日の対戦で勝敗を1勝10敗としたウォズニアキは「セリーナにこう言ったの。少しほおっておいてくれない。あなたは大好きだけど、コートの向こう側には立たないで欲しい。本当に正直に言うと、もうあなたに負けるのは懲り懲りなの。」と素直な気持ちを打ち明けていた。
今年のウォズニアキとの対戦のうちの2回は第1セットを落としてからの逆転勝利だったセリーナ。この日の試合も、第1セットはウォズニアキのサービスではわずか3ポイントしか取れず2度のブレークを許す展開で、途中でラケットを叩き付け主審から警告を受ける場面も見られた。
「何度ラケットを叩き付けたか分からない。そんな事をしたってラケットは全く悪くはないんだからね。伝説になってしまうわね。ちょっと冷静さを失ってしまったわ。」とセリーナは、試合を振り返っていた。
「彼女(ウォズニアキ)が勝つと本当に思っていた。だってここまでも好調なプレーを続けていたし。全く新しい戦略で臨んできたの。やっと第2セットでそれに対処出来たし、徐々にプレーのレベルも上がって来たの。今日は上手く行ったの。さあ、捕まえたわって感じだった。」と、予選ラウンドロビンを3戦全勝で勝ち上がって来たウォズニアキとの対戦の印象をコメントしていた。
第3セットのウォズニアキのサービング・フォー・マッチからブレークバックに成功したセリーナだったが、ゲームカウント6ー5で握ったセリーナのマッチポイントを、素晴らしいラリーの応酬から切り抜けたウォズニアキは、訪れたタイブレークでも譲らないプレーを披露した。
「本当に大接戦になって、挙げ句の果てに負けるなんて、本当にうんざりするもの。ほんのちょっとの差だけど、それがチャンピオンがチャンピオンであるもの。大切な瞬間に陥ると、そこで奮起できるのがチャンピオンなの。」とウォズニアキは敗戦の悔しさを語りながらも、勝者への尊敬の意も加えていた。
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