テニスのグランドスラムである全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は6日、男子シングルス準決勝が行われ、第10シードの
錦織圭(日本)が同大会2011年覇者で第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)を6-4, 1-6, 7-6 (7-4), 6-3で下し、日本人初で自身初となるグランドスラム決勝進出を決めた。
両者は今回が3度目の対戦となり、錦織はジョコビッチとの対戦成績を2勝1敗と勝ち越した。
錦織が最初にジョコビッチに勝利したのは、2011年11月に行われたスイス・インドアで、その時は逆転で勝利をおさめた。
この試合、序盤からダウンザラインを決めるなど積極的に攻めていく錦織に対して、ジョコビッチは少し体がかたくなっているように見えたが、第2セットからギアを上げてきた。ジョコビッチは左右に揺さぶるボールとドロップショットを繰り出し、錦織を走らせる展開で攻めた。
その後も両者は互角のラリー戦を披露するも、王者ジョコビッチのボールに食らいつき、最後まで攻めの姿勢を変えなかった錦織が勝利を手にし、日本人初で自身初となるグランドスラム決勝進出を決めた。
日本人初のグランドスラム優勝という偉業達成をかけて錦織は、決勝で第2シードの
R・フェデラー(スイス)と第14シードの
M・チリッチ(クロアチア)の勝者と対戦する。
錦織は今大会、1回戦で
W・オディスニク(アメリカ)を下し、2回戦は
P・アンドゥハル(スペイン)の途中棄権により3回戦へ駒を進め、3回戦は第23シードの
L・マイェール(アルゼンチン)に勝利した。4回戦では第5シードの
M・ラオニチ(カナダ)を、準々決勝では今年の全豪覇者で第3シードの
S・ワウリンカ(スイス)を共に4時間を超える大激闘の末に破り、自身グランドスラム初のベスト4進出を決めた。
ラオニチに勝利して、
清水善造(日本)以来の日本男子92年ぶり全米オープンベスト8進出という快挙を達成し、その後ワウリンカを下し1918年の全米オープンで記録した
熊谷一弥(日本)以来となる日本男子で96年ぶりの準決勝進出という記録をさらに打ち立てた。
《錦織「想像していなかった」》そして今回錦織は、世界ランク1位で同大会2011年覇者のジョコビッチを破り、男子アジア勢初で自身初となるグランドスラム決勝進出という更なる偉業を成し遂げた。
8月上旬に右足の親指に出来た嚢胞を取り除く手術を受けた錦織は、全米オープンの前哨戦であるロジャーズ・カップ男子とW&Sマスターズの2大会を欠場を余儀なくされた。19日に抜糸を行い、その後は順調な回復を見せたものの、今大会への出場が当日まで危ぶまれていた。
しかし、復帰戦となった今大会1回戦では勝利を飾り、その後自身も驚くほどの好調ぶりで勝ち上がった。
過去同大会では、2008年の3回戦で当時世界ランク4位の
D・フェレール(スペイン)を破ってベスト16入りを果たしており、昨年は1回戦で
D・エヴァンス(英国)に敗れて初戦敗退を喫していた。
一方、敗れたジョコビッチは、今年のウィンブルドン決勝でR・フェデラーに勝利して大会3年ぶり2度目の優勝とグランドスラム7勝目あげた。その後発表された世界ランキングでは、2013年9月以来の世界ランク1位に返り咲いた。
その後、全米オープンの前哨戦であるロジャーズ・カップでは3回戦で
JW・ツォンガ(フランス)に、W&Sマスターズでは3回戦で
T・ロブレド(スペイン)に敗れており、思い通りの結果を残せていなかった。
今大会1回戦では
D・シュワルツマン(アルゼンチン)、2回戦で
P・H・マチュー(フランス)、3回戦で
S・クエリー(アメリカ)、4回戦で第22シードの
P・コールシュライバー(ドイツ)を下し、準々決勝では第8シードの
A・マレー(英国)との対戦を制し、順当な勝ち上がりを見せた。
過去同大会では、2011年に決勝で
R・ナダル(スペイン)を下して優勝を飾っており、4度の準優勝を誇る。今回は5年連続の決勝進出を狙うも、錦織に阻まれることとなった。
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