テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は1日、男子シングルス4回戦が行われ、第10シードの
錦織圭(日本)が第8シードの
M・ラオニチ(カナダ)に6-4, 1-6, 6-7 (4-7), 3-6で敗れ、大会初の準々決勝進出とはならなかった。錦織がベスト8進出を決めていた場合、日本人男子で
松岡修造(日本)以来19年ぶりの快挙となっていた。
この試合、錦織はファーストサービスが入った時に72パーセントの確率でポイントを獲得するも、ラオニチに試合を通して35本ものサービスエースを決められ、3度のブレークを許して、2時間27分で敗退となった。
ラオニチのサービスから始まったこの試合、今大会ウィンブルドンで1度もサービスゲームを落としていなかったラオニチから、錦織は第1セットの第1ゲームでブレークに成功する。しかし、ビッグサーバーであるラオニチに強烈なサービスとストロークで攻められ、流れを止めることが出来なかった錦織は、セットカウント1-3で敗れた。
試合後の会見で錦織は「試合前は、リターンをどれだけ返せるかが今日のテーマになると思ってたんですけど、彼(ラオニチ)のサーブがとてもよかった。リターンにチャンスがなく、芝だからというのも特にあると思うんですけど、まったくサーブが読めなかった。」
そして「リターンゲームでなかなか工夫が出来ず、相手のストロークの攻撃的なプレーに少しおされてしまった感じでした。」とコメントした。
今大会を終えてどうですかという質問には「初めて2週目にいれたっていうのは、充実している証拠だと思う。ベスト8にいけたチャンスもあったのでもちろん悔しいですけど、芝でまた自信もついたので、来年も頑張りたいです。」と今大会を振り返った。
錦織は過去同大会で、2008・2010・2011年は初戦敗退となっている。2012年は
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)、2013年は
A・セッピ(イタリア)と共に3回戦で敗れていた。そして3回戦進出が今までの最高成績となっているため、今回3回戦で
S・ボレッリ(イタリア)に勝利して大会初のベスト16入りとなった。
ラオニチ戦では、日本人男子で松岡修造以来19年ぶりの準々決勝進出を狙うも、4回戦で姿を消すこととなった。
松岡修造は、1995年のウィンブルドン準々決勝で、元世界王者
P・サンプラス(アメリカ)に7-6 (7-5), 3-6, 4-6, 2-6で敗れているも、ベスト8入りを果たしている。
今年に入って錦織は、全豪オープン4回戦で
R・ナダル(スペイン)に敗れるも、6-7 (3-7), 5-7, 6-7 (3-7)と接戦を演じた。
《錦織、全豪の記事はこちら》その後は、2月のアメリカ国際インドアテニス選手権で大会2連覇を達成。4度目のツアータイトルを獲得し、3月のソニー・オープン男子準々決勝では、
R・フェデラー(スイス)を逆転で破る活躍を見せた。
《錦織vsフェデラーの記事はこちら》4月に入ってからは、ソニー・オープンで負った怪我によりデビスカップを欠場するも、バルセロナ・オープン・サバデルで復帰戦にして大会初優勝とクレーコートで初のタイトルを獲得した。
5月のムチュア・マドリッド・オープン男子では、マスターズ初の決勝進出を果たした。決勝でナダルと対戦し、錦織が先制するも、途中でメディカルタイムアウトを要求。勝利まであと1歩のところで、やむを得ず途中棄権となっていた。
《錦織vsナダルの記事はこちら》その後に発表された世界ランキングでは、世界ランク9位に浮上し、念願のトップ10入りを果たした。
6月の全仏オープンでは、怪我による練習不足もあり、1回戦で
M・クリザン(スロバキア)に敗れて初戦敗退を喫していた。
また、ウィンブルドンの前哨戦となったゲリー・ウェバー・オープンの準決勝では、フェデラーと対戦。ストレートで敗れて決勝進出を逃すも、大会初のベスト4進出を果たし、ウィンブルドンへは自信を持って臨んできていた。
今回ウィンブルドンで初の4回戦進出となった錦織は、これで自身のグランドスラムですべてベスト16入りとなり、今後の更なる飛躍に日本からだけでなく、世界中から期待がかかる。
(コメントはWOWOWから抜粋)《ウィンブルドン公式タオル》
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