男子テニスで元世界ランク1位
R・フェデラー(スイス)との3年以上に渡るコーチ契約終了を先週末に明かしたポール・アナコーン氏だが、それはお互いの話し合いの結果にたどり着いた決断であると明かすと同時に、今でもフェデラーにグランドスラム優勝の力を感じていると話した。
P・サンプラス(アメリカ)や
T・ヘンマン(英国)など、これまで多くのトップ選手の指導をしてきたアナコーン氏は「心の底からの話し合いを何度もした結果、今この瞬間でロジャー(フェデラー)と私にとって何が1番良いのかを話し合い、お互いの別の道を歩む事がベストだという結論に達した。ロジャーも私も、それには納得している。」と、その経緯を語った。
フェデラー本人も「彼(アナコーン)をコーチにした時に、3年という期間で目標を立てていたんだ。その間に、またグランドスラムで優勝を飾り、世界ランク1位にも返り咲くってね。その他の多くの細かい目標や思い出と同時に、その大きな2つの目標は達成された。」と、語った。
そして「最後に一緒にした練習の終わりに交わした多くの話し合いの結果、今回の決断がお互いにとってベストで、今後お互いの道を歩むという結論に至った。」と、お互いの意思での判断だった事を明かした。
そのアナコーン氏は、現在32歳のフェデラーが今季はここ10年間で最も悪いと言われるシーズンを送っているものの、まだグランドスラムで優勝するだけの力を持っていると明かしている。
「ロジャーがテニスを愛しているのと同じくらい、練習で見せる彼の姿の躍動感や、まだ試合を楽しみたいという情熱を感じる事が出来る。彼の今後の将来に、成功以外の他に何もイメージが湧かない。自分にとってそれは“もし”という問題ではなく、“いつ”という問題。」
「彼の偉大さは未だに続いている。それは全く消え去っていない。突然良いプレーが出来なくなってしまったわけではなく、期待や彼に対する皆のレベルが高く設定されているだけなんだ。」
「まだ偉大さを残してはいるものの、今はだだ不思議な瞬間にいるだけ。パズルの1つ1つをただ組み合わせれば良いだけなんだ。」と、今季のフェデラーの不調をアナコーン氏なりに分析していた。
フェデラーは12年連続でのATPワールドツアー・ファイナルへの出場をかけて、残る2大会に出場する。
今季獲得ポイントの上位8選手にしか出場権は与えられないATPワールドツアー・ファイナル。
A・マレー(英国)の欠場からポイントレースの9位までが出場出来るものの、フェデラーは現在そのポイントレースで8位と、残る大会での好成績が必須となっている。
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