男子テニスツアーの上海マスターズ(中国/上海、ハード)は10日、シングルス3回戦が行われ、元世界王者で第5シードの
R・フェデラー(スイス)は元世界ランク7位
G・モンフィス(フランス)に4-6, 7-6 (7-5), 3-6のフルセットで敗退し、今季獲得ポイントの上位8選手しか出場権が与えられないツアー最終戦への出場に黄信号が点滅した。
「どちらに勝敗が転がってもおかしくない試合だった。第2セットは正直、ちょっとした幸運もあり、取り返す事も出来た。タイブレークでは安定したプレーが出来ていた。」と、試合を振り返ったフェデラー。
「第3セットの序盤は、逆転劇を演出するチャンスもあった。彼(モンフィス)はそこから反撃に転じ、試合の終盤へ向けてまたサーブの調子を上げてきた。もちろん、自分にとっては難しい状況になってしまった。自分はちょっとアップダウンのあった内容だった。」
今季獲得ポイントで争うポイントレースで現在7位にいるフェデラーは、12年連続で最終戦への出場を狙っているが、今回の敗退で同ポイントレースで8位にいる
S・ワウリンカ(スイス)に抜かれる結果となってしまった。
同レース3位で既に出場権を獲得していた
A・マレー(英国)が、怪我で最終戦の欠場を表明した事により、ポイントレースの9位までが出場権を獲得できる事になった。
その事に対して、フェデラーは「それに頼らずに、出場出来る事を願うよ。」と、自力での出場権獲得を望んでいた。
今後フェデラーは、地元スイスのバーゼル大会とフランスはパリで行われる今季最後のマスターズ1000大会の2大会で最終戦への出場権獲得を狙う。
「とにかく、良いプレーをする事に集中するしかない。バーゼルとパリで良い大会を送れるようにするしかないんだ。そして、結果的に出場出来るようになれば、開催地へ訪れるまでさ。」
この日の3回戦では、フェデラーと最終戦への出場をかけて争っているワウリンカが第10シードの
M・ラオニチ(カナダ)7-6 (7-2), 6-4のストレートで下し、ベスト8入りを決めた。
この勝利により、最終戦へのポイントレースでフェデラーを抜き7位へ上昇。フェデラーは8位へと後退する結果となった。
最終戦へは今週発表の世界ランクで1位へ返り咲いた
R・ナダル(スペイン)、同2位の
N・ジョコビッチ(セルビア)、同4位の
D・フェレール(スペイン)が既に出場権を獲得している。
なお、同ポイントレースで現在9位の
R・ガスケ(フランス)は今週1回戦敗退を喫しており、同ポイントレース10位のラオニチもこの日敗退したため、最終戦出場の残りの5枚の切符への熾烈な争いは、今後の大会へと委ねられる。
この日行われた試合結果は以下の通り。
○
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)(6) vs. ●
T・ハース(ドイツ)(11) (途中棄権)
○
JW・ツォンガ(フランス)(7) vs. ●
錦織圭(日本)(12), 7-6, 6-0
●D・フェレール(3) vs. ○
F・マイヤー(ドイツ), 4-6, 3-6
●R・フェデラー(5) vs. ○G・モンフィス, 4-6, 7-6, 3-6
●T・ベルディフ(4) vs. ○
N・アルマグロ(スペイン)(15), 7-6, 3-6, 6-7
○N・ジョコビッチ(1) vs. ●
F・フォニュイーニ(イタリア), 6-3, 6-3
○S・ワウリンカ(8) vs. ●M・ラオニチ(10), 7-6, 6-4
○R・ナダル(2) vs. ●
C・ベルロク(アルゼンチン), 6-1, 7-6
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