テニスのグランドスラムである全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は29日、女子シングルス2回戦が行われ、予選から勝ち上がった世界ランク109位の
奈良くるみ(日本)が格上である第19シードの
S・キルスチャ(ルーマニア)を7-5, 6-1のストレートで下す金星をあげ、四大大会で初の3回戦進出を果たすと同時に、世界ランキングで自身初のトップ100入りを確定させた。
この試合、奈良くるみは35本の凡ミスを犯したキルスチャの隙をつき、10度のブレークチャンスから6度のブレークに成功して1時間24分で勝利した。トータルポイント獲得数では奈良くるみが67、キルスチャは47だった。
試合後、奈良くるみは「最後までいけるとは思わなかった。リードしていても(キルスチャは)いいショットを打ってくる選手なので、本当に気が抜けなかった。」と、コメント。
第2セットの第7ゲーム、サービング・フォー・ザ・マッチのゲームについては「締めるのにここ最近は手こずっていたので、すごく緊張しました。」と、話した。
今大会で予選から出場している奈良くるみはセットを落とさずに勝ち上がっており、好調を維持している。
「ポジティプな気持ちで試合に向かっている事が要因だと思います。」
大会後に発表される世界ランキングで、自身初のトップ100入りが決まった事については「それが1番嬉しいです。」と、笑顔で喜んだ。
全米オープンでは予選2回戦進出が自己最高の成績だった奈良くるみは、大会初の3回戦進出を果たすと同時に、グランドスラムを通して自己最高の3回戦進出を決めた。これまでのグランドスラム最高成績は、2010年のウィンブルドンで、その時は予選3試合を勝ち抜き、本戦では
N・リー(中国)との2回戦へ駒を進めていた。
奈良くるみは3回戦で、第9シードで元世界ランク1位の
J・ヤンコビッチ(セルビア)と自身初のベスト16進出をかけて対戦する。
3回戦については「ここまで来たからには、次の試合も思い切って自分の力を出して頑張りたいと思います。」と、意気込みを語った。
今年の7月に行われた下部大会であるポートランド大会で、奈良くるみは優勝を飾っている。
一方、奈良くるみに敗れたキルスチャは、全米オープンの前哨戦であるロジャーズ・カップ女子で
C・ウォズニアキ(デンマーク)、ヤンコビッチ、
P・クヴィトバ(チェコ共和国)、リーら強豪を次々と破り、
S・ウィリアムズ(アメリカ)に敗れるも準優勝を飾った。また、大会後に発表された世界ランキングでは自己最高の21位を記録していた。
その他の日本勢では、第11シードの
錦織圭(日本)、
添田豪(日本)、
クルム伊達公子(日本)、
土居美咲(日本)は初戦敗退、
森田あゆみ(日本)は第4シードの
S・エラーニ(イタリア)と1回戦で対戦する予定だったが、腰の痛みにより棄権を申し入れた。
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