テニスのグランドスラムである全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は27日、男子シングルス1回戦が行われ、第7シードの
R・フェデラー(スイス)が
G・ゼミヤ(スロベニア)を6-3, 6-2, 7-5のストレートで下し、大会6度目のタイトル獲得へ向け好発進した。
この試合は前日の26日に行われる予定だったが、雨によりこの日に順延となっていた。これについて、フェデラーは「早めに順延の連絡をもらったから、特に支障はない。」と、コメントしていた。
1回戦でフェデラーはガッツポーズをみせるなど、終始集中したプレーを披露した。
この試合、フェデラーはファーストサーブが入った時に85パーセントの確率でポイントを獲得、さらに12本のサービスエースと35本のウィナーを放った。また、11度のブレークチャンスから5度のブレークに成功し、1時間33分で勝利した。
2回戦でフェデラーは、
C・ベルロク(アルゼンチン)と対戦する。
これまでの全米オープンで、フェデラーは2004年から2008年まで5連覇している。昨年は準々決勝でT・ベルディフに敗れた。
今季フェデラーは不調と囁かれている。7度の優勝を誇るウィンブルドンでは、2回戦で当時世界ランク116位の
S・スタコフスキ(ウクライナ)に敗れる大番狂わせに見舞われた。フェデラーがグランドスラムでベスト8を前に敗れるのは2004年の全仏オープン以来で、その時は3回戦で
G・クエルテン(ブラジル)に敗れた。
さらに、ベット・アット・ホーム・オープン準決勝では当時世界ランク114位の
F・デルボニス(アルゼンチン)、地元で行われたクレディ・アグリコル・スイス・オープン2回戦では同55位の
D・ブランズ(ドイツ)に敗れてしまう波乱が起きた。
そして、昨年優勝を飾ったW&Sマスターズでは準々決勝でライバルである
R・ナダル(スペイン)と対戦し、第1セットを取るも逆転負けを喫した。加えて大会後に発表された世界ランキングでは、2003年2月以来、約10年ぶりにトップ5から転落し7位に後退した。
しかし、敗戦後の会見では「今までの3カ月以上のものを得る事が出来た。だから(敗れてしまったけど)、試合の内容には満足しているし、全米オープンに向けて良い準備になったと思う。」と、手応えを感じていた。
また32歳のフェデラーは、これまで使用してきた90平方インチから黒塗りの98平方インチのラケットを使用し、注目を集めていた。しかし、全米オープンを含め、ハードコート・シーズンからは以前のラケットを使用する事を決意した。
シード勢が順当に勝ち進んだ場合、フェデラーは準々決勝で第2シードのナダルと対戦する可能性がある。また、4回戦では第11シードの
錦織圭(日本)と対戦する可能性があったが、錦織が初戦で姿を消したため、その対戦はなくなった。
一方、敗れたゼミヤは今年の全仏オープン2回戦で錦織と対戦した。昨年の全米オープンで予選を勝ち抜いたゼミヤは、本戦で3回戦進出。さらに、同年のエルステ・バンク・オープンでは、
T・ハース(ドイツ)、
J・ティプサレビッチ(セルビア)ら強豪を次々と下し、
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)との決勝へ勝ち進んでいた。
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