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男子テニスツアーの南フランス・オープン(フランス/モンペリエ、賞金総額46万7800ユーロ、インドアハード)は4日に開幕したが、この日、第1シードでエントリーしているディフェンディング・チャンピオンのT・ベルディフ(チェコ共和国)が会見に現れ、コートに立つ事無く直前で欠場する苦渋の決断を発表した。
先週末、世界各地で行われた男子テニス国別対抗戦(デビスカップ)の1回戦で、ベルディフは、厳しい試合を勝ち抜きエースとしてチェコ共和国を勝利へと導いた。
昨年のデビスカップで優勝を果たしたチェコ共和国は、スイスはジュネーブで行なわれたスイスとのワールドグループ1回戦で、初日のシングルスで勝利を飾ったベルディフ。その日行なわれたもう1つのシングルスで同胞のL・ロソル(チェコ共和国)がS・ワウリンカ(スイス)に敗退していたため、初日を1勝1敗で終えていた。
しかし翌日に行なわれたダブルスでは、ベルディフ/ ロソル組がワウリンカ/ M・キウディネッリ(スイス)組と対戦し、6-4, 5-7, 6-4, 6-7 (3-7), 24-22の接戦を制して下した。この試合は実に7時間1分にも及び、デビスカップ史上最長記録を更新する事となった。
これで2勝1敗と勝利に王手をかけたチェコ共和国は、最終日にベルディフがワウリンカを下して勝利を決めた。大車輪の働きをしたベルディフは、疲れを癒す間もなく今大会会場であるフランスのモンペリエへ移動していた。
しかし3日間で13時間にも及ぶ試合を行った代償は大きかった。試合後には右手首に痛みを感じていたベルディフは、会場入り後にメディアの前に現れ、大会2連覇を目指していたものの欠場を表明する会見を開く事となってしまった。
「テニスというスポーツをする上で、この痛みを持ってしまう事は非常に厳しい事。昨日は勝利を喜んでいたけど、翌日には望んでいない決断を下さなければならなかった。それでも長い目で状況を見なければならない。今も右手首に痛みがあって、実は先週末も違和感を感じながら試合をしていたんだ。とにかく今は、真剣に受け止め、休養を取って残りのシーズンのために備える必要がある。」とベルディフは、怪我の状況を説明すると共に苦しい胸の内を明かしていた。
そしてそのデビスカップを振り返り「最後までどうなるか分からないと言うハラハラした経験だった。希望するような結果になる事を信じて戦っていたし、勝利を得る事が出来ると願っていた。先週末は肯定的な事しか考えていなかった。」と、怪我の事よりチームの勝利ばかり考えていた事を語ったベルディフ。
デビスカップ史上最長記録を作ったダブルスの試合については「試合中は色んな思いがよぎっていたんだ。だって本当に長い試合だったからね。色んな感情が行き来する時間がたくさんあった。そんな中で一番厳しかった事は、あれほど長い間、集中力を切らさずに戦い続けた事さ。」と、精神的にも厳しい試合だった事をコメントしていた。
「肉体的にはそれほど厳しいものだとは感じなかった。ダブルスだったからね。その反面、自分自身はダブルス・プレーヤーじゃないから、コートでのダブルスの動きに慣れておらず、動きはとても違うものだった。そこが難しかったけど、こうして勝利出来た事は嬉しかったし、すぐ翌日にワウリンカと試合をしなければならなかった。彼はこのところ好調だし、素晴らしい選手なんだ。彼の地元と言うアウェーの中での勝利は、本当に最高の週末だった。」
そう語るベルディフは、最高の喜びの直後には厳しい決断を下す結果となってしまった。
「それでもここまではシーズンの序盤としては最高のものだった。全豪オープンでも8強入り出来たし、そこでは優勝したN・ジョコビッチ(セルビア)に敗れた。彼は今、最も厳しい対戦相手さ。その後はスイスで素晴らしい週末を送る事が出来たんだ。しばらくの休養を取って回復に努めて、また強くなって戻ってこの好調を続けたい。」
今大会シード選手8名中、上位4シードは1回戦が免除されており2回戦から登場だったが、ベルディフに代わり第5シードのN・ダビデンコ(ロシア)が繰り上がり2回戦から登場する。第2シードにはJ・ティオプサレビッチ、第3シードにR・ガスケ(フランス)、第4シードにG・シモン(フランス)と続く。
ベルディフの欠場からラッキールーザーとしてK・デ=スケッパーが本戦へと繰り上がった。予選第1シードだったデ=スケッパーは、この日行われた予選最終ラウンドでA・メネンデス=マセイラスに7-6 (7-5), 3-6, 4-6の逆転で敗れていた。
今大会には先週末に東京は有明で行なわれたデビスカップのアジア・オセアニア・ゾーン1のインドネシアとの1回戦に出場した伊藤竜馬(日本)がエントリーしている。
そのデビスカップでは、初日のシングルスで格下相手に気の緩みも見せずストレート勝利。2日目のダブルスでは、デビスカップ初出場の内山靖崇(日本)とのペアーで接戦に持ち込まれたもののフルセットで勝利を飾り、日本が勝利を飾る原動力となっていた。
その伊藤は現地水曜日に予定されている1回戦で、E・ロジェ=ヴァセラン(フランス)と対戦する。
今大会の優勝賞金は7万4000ユーロ。
(翻訳・記事/弓削忠則)
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