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フェデラーが初の全仏オープン制覇に意欲

先週開催された男子テニスツアーのマスターズ1000シリーズであるムチュア・マドリレーニャ・マスターズ・マドリッド(スペイン/マドリッド、賞金総額370万ユーロ、クレー)は、日曜日に行われた決勝戦で、世界ランク2位のR・フェデラー(スイス)が同1位のR・ナダル(スペイン)をストレートで下し今季初優勝を飾り、全仏オープンへ向けてより意欲を増す結果となった。

同大会は、昨年まで秋のインドアハードコート大会の一つであったが、今季からは全仏への前哨戦の1つとしてクレーコートでの開催となった。フェデラーは、2度目の同大会の優勝だったが、昨年10月の地元スイス以来のタイトル獲得と、今季初優勝となった。

全仏オープン4連覇中と、クレーコートで圧倒的な強さを誇るナダルを下しての優勝は、フェデラーにとって唯一獲得していない全仏オープンのタイトル獲得へ向けて、より意欲が高まる結果となった。

「今年はまだ優勝もしていなかったし、現時点では正にその通りだね。やっと結果が出たけど、ここで満足してはいけない。数週間前には、自分のテニスに多少の不安を抱いていたことを考えると、パリで試合をすることに興奮を覚えるよ。」と、この優勝はフェデラーにまた自信を取り戻すきっかけとなっているようだった。

2年前にも前哨戦となるハンブルグ・マスターズの決勝で、ナダルのクレーコートでの81連勝にピリオドを打ったフェデラーは、モチベーションも高く全仏オープンへ臨んでいた。パリの前にナダルのテニスが分かった気がすると語っていたフェデラーだったが、その決勝ではナダルにセットカウント1-3で敗戦していた。昨年も決勝で顔を合わせた両者だが、ストレートでナダルが勝利し、4連覇を達成している。

そんな経験をしているフェデラーは「何をしなければならないのかは分かっているけど、それをするのは簡単なことじゃないんだ。」と、先週の日曜日の決勝戦後に語っており、実際に全仏の舞台でナダルに勝利することの難しさも心得ているようだった。

一方のナダルは、フェデラーとの決勝戦までの道のりとなる第1週目にフォーカスしている。

「フェデラーは全仏を始め、どんなコートでも制するポテンシャルがある。彼は自分のテニス人生を通してそれを証明している。でも、大会は1回戦から始まる。いきなり決勝戦が来るわけじゃないんだ。いきなり決勝の舞台で彼と対戦できる契約書があるのなら、すぐにでもサインするよ。」と、あくまでも目の前の1戦に集中していることを語った。

去年までと状況が大きく違うのは、ナダルが世界ランク1位で全仏に臨むこと。昨年はウィンブルドンも制し、北京五輪で金メダルを獲得、フェデラーが237週も君臨していた頂点の座を奪い取っている。

ナダルは今年最初のグランドスラムである全豪オープンも、決勝でフェデラーを下して初優勝を果たし、そのフェデラーを涙に暮れさせたのは記憶に新しい。しかし、そこから這い上がった27歳のフェデラーは、ナダルのクレーでの連勝に終止符を打ち、今季6度目の優勝を阻んだ。

クレー大会の決勝戦での成績を25勝2敗としたナダルだったが、先週の敗戦は全仏にはあまり影響しないと言う。

「この大会はあまりパリと関係ないと感じている。ここのクレー自体が全仏のクレーとはだいぶ違うからね。普通のクレーではポイントにならないショットがポイントになっていた。ここのクレーは僕より彼(フェデラー)にとって有利だった。」N・ジョコビッチ(セルビア)との準決勝では、3セットマッチの最長記録となる4時間2分の死闘を演じ、その後の決勝では疲労も残っていた。

ナダルはマドリッドでは完全に燃え尽き、回復には数日必要だとも付け加えた。昨年11月に痛めた膝も、問題ないと答えていたが、準決勝で痛みが出たのも事実。1週間後に控えた全仏オープンまでに、どこまで回復するかが史上初の大会5連覇の達成と、自信を取り戻したフェデラーを再び下す鍵となるだろう。

(2009年5月19日12時40分)
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