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Vol.11 最新型サーブ・テイクバック大研究 下巻

まとめ 自分に合ったテイクバックの選び方

今回の特集の最後は、ここまで紹介してきた5つのタイプの中から、どうやって自分に合ったテイクバックを選べば良いのか解説して、締めくくることにしよう。

その際、まず前提となるのは、すべての人に共通する理想のテイクバックなどは存在しないということ。人それぞれ、自分のやりやすいリズムや、腕の動かし方があるので、そうした個性に合わせて選んでいくしかない。

理想=ムダな動きが少なく必要十分な準備ができるテイクバック

では、どういう基準で選べば良いのか? それには、まず目的をはっきりさせることが大切になる。そこでテイクバックに求められる要件をピックアップすると、

1.ムダな動きが少なく、それでいて必要十分なスウィングの準備ができること

2.足や右手の待ち時間(止まっている時間)が長くなるのは良くない


この2点がとくに重要になる。1については、これまで解説してきた通り。2の意味は、待ち時間が長くなると、余計な力が入って滑らかな動きができなくなってしまう、ということだ。パワーを蓄えるために「タメ」を作るという考え方もあるが、それは待つこととは違う。「タメ」は一瞬あれば十分で、そこに「待ち」が入ると、逆にタメの効果がなくなってしまうのだ。

したがって、まず高すぎるトスは、余計な待ち時間を生みやすいので避けたほうが良いだろう。また、速いリズムで打つこと自体が苦にならなければ、速めのリズムのほうが、ムダな動作が出にくいという意味でも、遅いよりも好ましいと言えるだろう。

リズムはトスと大きく関係してくる

そうした方向性の中で、自分のテイクバックについて考えていくことになるが、サーブのリズムは、トスの高さと大きく関係してくるので、話はそう簡単ではない。

たとえば初中級者のうちは、トスを高く上げないと不安な人がいる。ボールが上がって落ちてくる様子をじっくり見られたほうが安心して打てるという心理だろうが、そのため急にトスを低くすることはむずかしいのだ。

また、自分のトスが必要以上に高いということに気づいていない人も多いので、そのことを理解したうえで、徐々にトスの高さを下げ、自分が打ちやすいリズムにトスを合わせられるようにしていきたい。

その他、サーブのリズムには、足の動かし方や曲げ具合も大きく関わってくる。「自分は足でじっくりタメを作らないとダメなんだ」という人もいるだろうし、腕ではなく足の動きでリズムを決めるというのも、けっして悪いことではない。

先に腕の動かし方を決めた場合

テイクバックでは、最初に何を決めるかで、考え方が大きく変わってくるので、ここでは2通りの決め方について解説していこう。

まず、今回の特集を読んで、「自分にはタイプ○が合ってそうだな」とか「このテイクバックにトライしてみたい」と、先に腕の動かし方を決めた場合はどうだろうか。

その場合は当然、腕の動きに合わせて、足のリズムもトスも変えることになる。たとえばタイプ1を選んだとしたら、速めのリズムのほうが合うので、トスを低めにして、足の動きもそれに合わせて速めることになる。タイプ5を選んだ場合は、逆にリズムがゆっくりになるので、トスを少し高めにして、足の動きもゆっくりにする。

一般的には手の動きに関して問題意識がある人 - つまり右手と左手の協調がうまくいかなかったり、右手の動きがギクシャクしたり、トスが不安定だったりする人が多いだろう。その場合は、先に手の動きを決めてしまったほうが良いだろう。あとは、その形でやりやすいようにリズムを調整していくというアプローチになる。

また、手の動きを決めたからといって、かならずしもリズムが限定されてしまうわけではなく、タイプ1で多少ゆっくりにしたり、タイプ5で速めにしたりすることもできるので、あまりむずかしく考える必要はない。

腕の動かし方は、2~3通りから選ぼうと思った場合

今回の5つのタイプの中で、「どれでもできる」とか「腕の動かし方は2、3通りから選べばいい」と思った場合はどうだろうか?

そういうときは、自分のリズムを大切にすれば良く、その場合の自分のリズムとは、足で決まることが多い。どんなスタンス、どんなステップで打つのか(後ろ足を動かすかどうか)。足を動かすとしたら、ゆっくり動かすのか、リズミカルに動かすのか。また、どのぐらい膝を曲げるのか、どのぐらい身体をひねるのか、反らすのか。さまざまな要素があるが、それらを総合して、速いリズムが自分に合っているのか、ゆっくりなリズムが合っているのか決まってくるはずだ。

また、その他に「タメ」というのもポイントになる。タメはスウィングのアクションを起こすための「きっかけ」でもあるが、それを重視するかどうか。しっかりタメを作りたい人なら、どうしても多少リズムはゆっくりになるし、逆にタメは必要ないという人は、リズムを早めにしたほうが良いだろう。

というわけで、大ざっぱに言えば、ゆっくりなリズムが自分に合うという人は、タイプ2~5。速いリズムで打ちたい場合は、タイプ1、2、4のどれかから選べば良いということになる。そして、トスの高さは、それに合わせて微調整することになる。

その他に、非常に器用で、どのテイクバックもやれるし、リズムも自由に変えられるという人もいるだろうが、そうした人の場合、本誌では、速めのリズムとシンプルなテイクバックを選ぶことをお勧めしたい。こういう人は、器用貧乏になる恐れもあるので、ミスの可能性が少なくなるように、余分な時間や動作はできるだけ排除したほうが良いからだ。

タイプ1は、テイクバックにあまり時間がかからないので速めのリズムが合っており、逆に高くトスを上げてゆっくり打つという人には、待ち時間が多くなってしまうので適さない。右手の動きに関しては、とくにむずかしさはなく、初めてトライする人でも、すぐに馴染めるだろう。その他にもメリットは多いので、リズムの問題さえなければ、多くの人にお勧めできる。

タイプ2は、プロの世界で標準型になっていることからもわかるように、もっとも無難で欠点が少ないテイクバックと言える。したがって、どれを選べば良いのかわからないという場合には、とりあえずタイプ2を選んでおけば間違いないだろう。それでも、右手と左手の協調がどうもうまくいかないという場合は、タイプ1かタイプ5を試してみれば良い。

タイプ3は、これからサーブのテイクバックを改良していこうという人には、あまりお勧めできない。だが、この動きがいちばん馴染みやすいという人もいるだろうし、昔からこれでやっているのでなかなか変えられないという人もいるはずで、そういう人まで、無理に他のタイプを選ぶ必要はない。弱点の部分をよく理解し、それに気をつけてさえいれば問題はないのだ。

タイプ4も、タイプ3と同様、積極的に選ぶべき理由は少ないが、バンザイの動きがいちばん馴染みやすいという人には、当然もっとも適している。このタイプで注意したいのはトスの高さで、トスが高すぎて待ち時間が長くなると、右肘の位置が低くなってしまいやすいので注意が必要だ。タイプ1と同じく、基本的に速いリズムのサーブに適したテイクバックと言える。

タイプ5は、ゆっくりしたリズムが好きな人や、トスが苦手な人、右手と左手の協調が苦手な人などに適している。初心者に対しても、本誌としては、タイプ3よりもこちらのほうをお勧めしたい。ただ、基本的にあまり速いリズムでは打てないので、速いリズムにしたい人は(右手と左手の協調が苦手であっても)、タイプ1に移行したほうが良いだろう。

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(テニスジャーナル 2004年2月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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