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Vol.11最新型サーブ・テイクバック大研究 下巻

タイプD 右手と左手が別々に動く引き方

最後に紹介するタイプ5は、右手と左手が別々に動くテイクバックだ。すなわち、先にトスだけを上げて、後から右手のテイクバックをしていくというタイプになる。

これも少し変則的なパターンなので少数派かと思うと、意外にそうでもない。トッププロの例をじっくり調べてみたら、タイプ3やタイプ4よりも、男女とも採用している選手が多かったのだ。

トスアップに集中しやすいのがメリット

このタイプのメリットは、何といっても最初に左手(非利き手)だけに集中してトスを上げることができる点だ。トスが不安定で苦労している人にとっては、このメリットは大きい。左手と右手の動きに時間差があるため、多少高めのトスが必要になるが、正確にトスを上げやすいし、右手の引き方をシンプルにすればそれほど時間もかからないので、トスの高さは大きな問題にはならないだろう。

そして、もうひとつ大きなメリットは、右手と左手を別々に動かすので、両手の協調で戸惑う必要がないことだ。トスのときは左手だけに集中し、その後は、右手の動きだけに集中することができる。

このように、他のタイプにはないメリットを持っていることが、タイプ5の最大の特徴であり、トスの高さやリズムの部分で問題がない人には、かなりお勧めできる。

初めは右手をほとんど動かさず(力を抜いて下ろしたまま)、左手だけを動かすことがタイプ5の特徴だが、それによってトスを安定させやすくなり、両手の協調の問題も一気に解決できるという大きなメリットが生まれる。初心者の導入時にも、お勧めできるテイクバックだ(初めに左手と右手の動きを別々に練習すれば良い)。

V.ウィリアムズのタイプDのテイクバック
@〜Fまでは、右手のほうは力を抜いて下に下ろしただけで、左手によるトスアップが先に行なわれており、その後で右手のテイクバックが始まるという典型的なタイプ5の例(右手の動かし方はタイプ2と同じ)。偶然なのか、そう指導されたのかわからないが、妹のセリーナも同じタイプ5で、2人とも女子の中では有数の速いサーブを打っている。
V.ウィリアムズのタイプDのテイクバック

N.キーファーのタイプDのテイクバック
こちらも、動きの流れは上のヴィーナスとほとんど同じだが、ここで注目してほしいのは、右手の動きにまったく淀みがなく、流れるようにスウィングまでつながっている点だ。タイプ5の場合、トスの高さを抑えるためには右手の動きは速いほうが良く、それは右手の待ち時間がなくてスムーズに動きが流れるという利点にもつながるのだ。
N.キーファーのタイプDのテイクバック


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(テニスジャーナル 2004年2月号)
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