ユニクロは21日、浅草店で「スポGOMI×UNIQLO」を開催し、ユニクログローバルアンバサダーを務める車いすテニスの
国枝慎吾がゲストで登壇。シングルス初優勝を飾ったウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)や今後について語った。
「スポGOMI×UNIQLO」は地域の人とともに行う社会貢献活動で、今年は6月11日の原宿を皮切りに全国11カ所で展開。子どもから大人まで参加でき、身近な街や地域に捨てられているごみを意識するとともに、スポーツ感覚で楽しみながら環境問題を学ぶことができる。
この日は早朝から約75名ほどの一般参加者とともに国枝も登場。少人数のチームに別れ、約30分間ごみ拾いを行った。「スポGOMI」は拾ったごみの量と種類でポイントを競い、優秀な成績をおさめたチームには国枝からプレゼントが手渡された。
国枝はイベントについて「初めての参加でしたけど、みんなと一緒に街をきれいにすると、楽しみながらやれるのが良いかなと思いましたし、街をきれいにすることで自分自身も心が洗われる気持ちになりました」とコメント。
国枝は昨年8月の東京パラリンピック(日本/東京、ハード)で自身同種目3度目の金メダルを獲得。年が明けた1月の全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)と6月の全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)を制すると、今月行われたウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)では
A・ヒューエット(イギリス)を4-6, 7-5, 7-6(10-5)の逆転で下し大会初優勝。四大大会とパラリンピックを制覇する生涯ゴールデンスラムを達成する快挙を成し遂げた。
今後は9月に開催する全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)に照準を合わせ調整し、1年間ですべての四大大会を制する「年間グランドスラム」達成を目指す。
38歳の国枝はウィンブルドンに関して「ウィンブルドンにかける思いが強かったですし、僕自身もなかなか取れなかったタイトルなので。今年は(去年の)パラリンピックが終わってからすごく調子の良いなか迎えられたので、取るなら今年しかないと。ラストチャンスかなという思いで戦ったことで自分自身のメンタルも研ぎ澄まされましたし、それがああいった大逆転に繋がったかなと感じます。いままでのグランドスラム以上にたくさんの方々からお祝いを頂いて、僕自身も昨年のパラリンピックと同じくらい余韻に浸っていたところなので、今回の優勝はすごく大きかったですね」と語った。
「なかなか芝の上で練習するのが日本だと難しいですし、実際イギリスに行ったとしてもウィンブルドンはウィンブルドンなんです。芝は場所によって全然違うのも特徴なので、芝でのプレーを長年課題にはしていたんですけど、今年はだいぶ答えが出たところもありました。そういう意味でもかける思いは強かったですね。今までの芝でのプレーで間違いなくキャリアベストなプレーができたと思います」
「(全米オープンについて)こういったチャンスも、四大大会のうち3つ連続で1年で取ったこともなかなかないことだと思うので、どうせだったらやっぱり最後の全米オープンまでいって、年間グランドスラムといきたいですね」
また、昨年の東京パラリンピック優勝後はモチベーションの低下に苦しんだことを明かし、現在の心境を述べた。
「パラリンピックが終わってから、僕自身も燃え尽き症候群を体感して、全豪オープンの決勝の日まで『いつ辞めようかな』って毎日思う日々だったんです。全豪オープンで本当に1番の、いままでのキャリアで1番のプレーができて、それからやるべきことがまた見つかったというか、自分自身のパフォーマンスをどれだけ上げられるかというところに集中できるようになって。それが今回のウィンブルドンの優勝にも繋がっていると思いますし、自分自身をよりモチベートして戦えている要因に繋がっています。もちろんウィンブルドンを取ってまた燃え尽きているところはあるかもしれないですけど、それでもやることは変わらないのかなと思っています」
「(タイトルを)すべてコンプリートできたのは気持ちが良いですね。残された1つというのは気持ち悪い感じがしていたので、それが達成できてほっとしてますし達成感もあります。パラの後の燃え尽き感は今まで経験したことなかったので、今回は喜びを噛み締めているところですね。今のところはですが。テニスも再開してますし、全米オープンに向けて頑張っていくだけです」
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