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【コラム】五輪史上単複金メダルの快挙、惜しまれるチリの英雄<2013引退シリーズ その3>

男子テニスで今年8月に現役引退を表明したN・マス(チリ)は、祖国チリではテニス界だけではなくスポーツ界の歴史に名を残す英雄だった。それは2004年に行われたアテネオリンピックで、シングルスとダブルスで金メダルを獲得。これは祖国チリが獲得した初の金メダルとなった。

アテネオリンピックでは当時世界ランク14位で出場したマスは、1回戦で元世界ランク1位のG・クエルテン(ブラジル)を下すと、その後は準々決勝で当時同4位のC・モーヤ(スペイン)、準決勝では当時同28位のT・デント(アメリカ)を下して決勝進出。

決勝戦では当時同35位のM・フィッシュ(アメリカ)を6-3, 3-6, 2-6, 6-3, 6-4のフルセットで下し、祖国チリが初となる金メダルを獲得。

さらにF・ゴンサレス(チリ)とペアを組んだダブルスでは、準々決勝でB・ブライアン(アメリカ)/ M・ブライアン(アメリカ)組、準決勝でM・アンチッチ(クロアチア)/ I・リュビチッチ(クロアチア)組、決勝戦でN・キーファー(ドイツ)/ R・シュトラー(ドイツ)組を下して、シングルスに続き金メダルを獲得する快挙を成し遂げた。

夏季オリンピックのテニス競技でシングルスとダブルス同時に金メダルを獲得した男子選手は、現在でもマスのみとなっている。

1997年にジュニア・ランキングでシングルス5位、ダブルスで1位になったマスは、プロへ転向した。1999年11月に世界ランキングで初のトップ100入り。2002年には2月に行われたアルゼンチンのブエノスアイレス大会で初優勝を飾り、その後通算6大会でタイトルを獲得。

チリ出身選手としては元世界ランク1位のM・リオス(チリ)を始め、昨年引退したゴンサレスらとともにチリ・テニス界を牽引していたのがマスだった。しかし、近年は怪我に泣かされてツアー下部大会中心に活動していた。

34歳になったマスは首都のサンティアゴでの記者会見で涙を流しながら引退を決意した気持ちを語っていた。

グランドスラムでは2005年の全仏オープンと全米オープンの4回戦進出が最高成績だったマスだが、祖国チリへもたらしたその功績は忘れ去られる事はない。

【ニコラス・マス 選手詳細】
プロ転向:1997年
キャリア通算成績:257勝238敗
自己最高ランク:9位(2004年)


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(記事/弓削忠則)

(2013年12月17日10時49分)

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