男子でテニスで世界3位までのぼりつめた31歳の
D・ナルバンディアン(アルゼンチン)は、今年10月に肩の故障により現役引退を表明した。これまでナルバンディアンはツアー大会で11度のタイトルを獲得したが、グランドスラムでの優勝を飾る事は出来なかった。
2000年にプロへ転向したナルバンディアンは、2002年のウィンブルドンでグランドスラム初の決勝進出を果たす。決勝では世界ランク1位で第1シードだった
L・ヒューイット(オーストラリア)にストレートで敗れて準優勝に終わるも、大会初出場で決勝へ駒を進めたのはオープン化以降初の快挙だった。
しかし、これがナルバンディアンの最後のグランドスラム決勝進出だった。
2003年の全米オープンでは
R・フェデラー(スイス)らを次々と下し、ベスト4進出。準決勝では地元期待の
A・ロディック(アメリカ)と対戦し、第1・2セットを先取、勝利まであと1セットと迫った。
第3セットはタイブレークへ突入し、ナルバンディアンはマッチポイントを握った。だが、勢いが衰えなかったロディックに強烈なサービスを叩き込まれるなどで第3セットを落としてしまう。以降は息を吹き返したロディックの勢いを止める事が出来ず、フルセットの末に敗れてしまう。
翌年2004年の全仏オープンでも準決勝へ進出するも、同胞の
G・ガウディオ(アルゼンチン)に完敗。2006年の全豪オープンでも4強入りを果たし、全グランドスラムでベスト4へ駒を進めるも、準決勝でノーシードの
M・バグダティス(キプロス)に2セットアップからの逆転で敗れる。同年の全仏オープンではフェデラーに逆転負けとなった。
その後はグランドスラム4強入りの壁を超える事が出来なかった。同じアルゼンチン勢では2004年の全仏オープンでガウディオがグランドスラム初優勝、2005年の同大会では
M・プエルタ(アルゼンチン)が
R・ナダル(スペイン)に敗れるも準優勝を飾った。
またナルバンディアンはフェデラーと相性が良く、2005年の最終戦であるテニス・マスターズ・カップでは決勝でフェデラーを6-7 (7-4), 6-7 (11-13), 6-2, 6-1, 7-6 (7-3)の大逆転で下し、ビッグタイトルを手にした。
国別対抗戦でのデビスカップでは2006・2008・2011年に決勝進出を果たすも、祖国アルゼンチンを優勝へ導く事が出来なかった。
さらに2012年のAEGON選手権では、線審の椅子を囲む広告看板を蹴り、破片が線審の左すねを傷つけ流血騒ぎとなり、非スポーツマンシップ行為により失格となった事もあった。
【ダビッド・ナルバンディアン】
プロ転向:2000年
キャリア通算成績:383勝192敗
自己最高ランク:3位(2006年)
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