先週行われた男子テニスツアーのゲリー・ウェバー・オープンで今季初優勝を飾った世界ランク3位で31歳の
R・フェデラー(スイス)が、来週から開幕するウィンブルドンでの大会連覇へ向けての意気込み、さらに引退への気持ちを語った。
ゲリー・ウェバー・オープン決勝戦でフェデラーは、2回戦で
錦織圭(日本)を下して勝ち上がったM・ヨージニを6-7 (5-7), 6-3, 6-4の逆転で下し、約10ヶ月ぶりの優勝を飾った。
試合後、フェデラーは「今週の自分のプレーにはとても満足しているし、今後の試合に向けて興奮しているよ。」と、ウィンブルドンへ向けての思いを語った。
ツアー通算77度目の優勝を飾ったフェデラーは「今はとても自信があるし、体調も万全で新鮮な気持ちでいるんだ。シーズンのこの時期に、このように感じる事が出来るのは、とても大切な事。」
続けて「今季、ここまでの6ヶ月は大満足と言えるものではなかった。試合のスケジュールをちょっと変えたら、もっと早く今シーズンの初優勝が飾れたのかもしれないけど、それだけが目標ではないんだ。」と、過去7度の優勝を誇るウィンブルドン前に、最高の状態にいる事を実感していた。
決勝戦を振り返ったフェデラーは「第1セットを接戦の末に落としたけど、それでも第2セットも戦い続けたんだ。サーブが好調で、それ以降はサーブに助けられたよ。」と、試合を通して11本のサービスエースを記録するなど、勝因を分析していた。
そして「常に課題として練習を積まなければならない事があるけど、それはこれからウィンブルドンが始まるまでに考えて解決していくよ。」と、向上心も覗かせた。
フェデラーは2009年のウィンブルドン優勝で、
P・サンプラス(アメリカ)の最多14度のグランドスラム優勝を塗り替える自身15度目の優勝を飾った。そのサンプラスは、14度目の優勝となった2002年の全米オープンでタイトル獲得後に引退した。その当時、サンプラスは31歳だった。
フェデラーは「まだ、こうしてテニスを楽しんでいるのに、何故楽しんでいられる途中でそれを止めなければならないんだ?引退は、まだまだ早いよ。テニス人生は、まだ続けていきたいんだ。きっとそれは突然訪れると思うけど、まだ世界でもトップクラスのレベルで戦えると感じているんだ。」と、引退について語った。
今年の全仏オープンでフェデラーは、準々決勝で地元
JW・ツォンガ(フランス)にストレートで敗れてしまった。
「全仏オープン準々決勝での敗戦は、もちろんショックで落胆させられるものだった。でも、同時に次の大会を楽しみにもしていたのさ。芝のシーズンが大好きだからね。特に、今年はウィンブルドンで初優勝してから10年になる。その時もハーレとウィンブルドンと連続して優勝出来たんだ。今回のハーレでの優勝が良いサインであると嬉しいね。」とウィンブルドンへ向けて、現在の気持ちも加えた。
今季は序盤で腰の痛みに苦しむ時期もあったフェデラー。
「たくさんの優勝を目指してシーズンを始めた訳ではないし、腰の痛みを乗り越えたローマや全仏オープンでは満足したプレーが出来たんだ。準々決勝の敗戦まではね。今は、シーズンの後半戦にベストの状態がくると感じている。ウィンブルドンを直前に控えていて、その後は全米オープンへ向けての北米シーズンが始まるからね。」と、今後についても明かした。
フェデラーの経験・精神的な強さ・ショット選択への申し分の無い能力・早い展開の攻撃的なプレースタイルを考えると、今年のウィンブルドンもフェデラーが優勝候補の一角になるのだろう。ウィンブルドンが行われるオール・イングランド・クラブで、またフェデラーが歴史を塗り替える事になるのか注目が集まる。
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