男子テニスツアーのゲリー・ウェバー・オープン(ドイツ/ハーレ、賞金総額77万9,665ユーロ、芝)は、シングルス決勝戦が行われ、第1シードの
R・フェデラー(スイス)がノーシードのM・ヨージニを6-7 (5-7), 6-3, 6-4の逆転で下し、今季初優勝を飾った。世界ランク3位のフェデラーは、今回の優勝によりATPツアーで77勝を達成した。
フェデラーは昨年のウィンブルドンで優勝しており、今年も優勝すればグランドスラム史上最多18勝目を達成する事になる。
ウィンブルドンへ向けた調整の大会の1つである今大会。決勝戦でフェデラーは、第1セットをタイブレークの末に落としてしまう。しかし、過去14度対戦して1度も負けた事がないヨージニに対し、フェデラーは第2セット序盤以降ギアを上げる。
鍵となったのは第2セットの第8ゲーム、ヨージニは自身のサービスゲームでフェデラーにブレークポイントを握られ、この場面でダブルフォルトを犯してしまい、フェデラーにブレークを許す。これで勢いに乗ったフェデラーは、第2セットをゲームカウント6-3で取り、勝敗がかかる第3セットへ突入する。
第3セット、フェデラーは第7ゲームで見事なバックハンドのパッシングショットを決めて、ゲームカウント4-3とリードする。そのリードを活かしたフェデラーは、第10ゲームのサービング・フォー・ザ・マッチで、最後サービスウィナーを決めると、2時間2分で終止符を打った。フェデラーはこの日サービスが好調で、エースは11本を数えた。
31歳のフェデラーは、昨年8月のシンシナティの大会以来となる優勝を決め、今大会では6勝目をマークした。
試合後、フェデラーは「これまで多くの試合に優勝してきたけれど、過去10カ月は優勝に恵まれなかった。調子は悪くないとは思っていたけどね。でも、他の選手が僕よりもいいプレーをしていた。」と、語った。
続けて「第1セットは、とても僅差だった。どちらが取ってもおかしくない内容だった。第2セットは一生懸命プレーして、ストレート負けを喫しないように努力した。サーブのおかげで勝てたようなもの。最終的には、僕の方が少しだけ安定していたようだ。」と、フェデラー。
一方、フェデラーに対し15連敗とした30歳のヨージニは「彼(フェデラー)の方が、今日はいいプレーをしていたと思う。と言うより、人生で彼は常に僕よりいいプレーをしている。」と、コメント。
今大会でヨージニは、1回戦で
D・ヒメノ=トラベール(スペイン)、2回戦で第4シードの
錦織圭(日本)を破り調子を上げると、準々決勝で第6シードの
P・コールシュライバー(ドイツ)、準決勝で第2シードの
R・ガスケ(フランス)を下し決勝進出を決めた。
フェデラーはウィンブルドンで7度優勝しているが、そのうち4度は今大会で優勝した後にタイトルを獲得している。今回の優勝は、今年のウィンブルドン優勝に向けて縁起の良いタイトル獲得となった。
また、フェデラーは今大会で多大なる人気を誇り、スタジアムの隣りにはフェデラーの名前を冠した通りが存在している。
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