パリパラリンピック(フランス/パリ、レッドクレー)の車いすテニスは日本時間8日(現地7日)、男子シングルス決勝が行われ、第2シードの小田凱人が第1シードのA・ヒューエット(イギリス)を6-2, 4-6, 7-5のフルセットで破り、同種目史上最年少で金メダルを獲得した。なお、日本勢が同種目で金メダルを獲得するのは国枝慎吾に続き史上2人目の偉業となった。大会制覇から一夜明けSNSを更新した小田は「車いすの人のみしか車いすに乗ってテニスをしていない現状には疑問もあるし、変えていきたい」と明かした。
>>【動画】小田 凱人 史上最年少で金メダル獲得を決めた瞬間、世界1位との激闘を制す<<
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世界ランク2位で18歳の小田はパラリンピック初出場。18歳にしてすでに四大大会で4勝を挙げており、昨年には史上最年少での世界ランク1位を記録した。パリパラリンピックと同会場で行われている全仏オープンでは昨年と今年で2連覇を達成しており、金メダルの有力候補として今大会に臨んだ。
初戦となる2回戦で世界ランク26位のB・バートラム(イギリス)、3回戦で同19位のD・ロドリゲス(ブラジル)、準々決勝で第6シードのT・エフべリンク(オランダ)、準決勝で第4シードのG・フェルナンデス(アルゼンチン)を下し決勝に駒を進めた。
この日の第1セット、小田は3度目のブレークに成功し先行する。しかし、続く第2セットではゲームカウント4-4で迎えた第9ゲームでヒューエットにブレークを許し、1セットオールに追いつかれる。
迎えたファイナルセット、小田は1ブレークダウンとなりゲームカウント3-5とリードされる。崖っぷちに立たされるもヒューエットのサービング・フォー・ザ・マッチとなった第10ゲームで再びブレークバックに成功し土壇場でゲームカウント5-5に追いつく。そして第12ゲームで2度目のブレークを奪い、2時間38分の激闘を制して国枝に続き同種目では日本男子史上2人目の金メダル獲得を決めた。
その小田は今回SNSを更新し次のように投稿した。
「一夜明けて。今は謎の怖さとかも感じてて、じわじわとこの現状が染み渡ってきています。一緒にshowを演じたアルフィー(ヒューエット)選手には感謝しかないし、これまで何回も色んな大会で決勝戦を戦ってきましたが確実にお互いがベストマッチだったと言える試合でした。おめでとう。俺達は歴史を変えたよ。って試合後僕のところに駆け寄って伝えてくれました。これからも彼と男子車いすテニス界を引っ張り続け更にレベルの高い試合を皆さんに魅せ続けれると思ってます」
「これから僕がどんな道を進むのか。まだ分かりませんが夢と希望は捨てずこれからもでっかいそんなの無理じゃないかって言われるくらいの夢と希望を持ってこれからも人生楽しんでいきたいと思ってます。車いすの人のみしか車いすに乗ってテニスをしていない現状には疑問もあるし、変えていきたいしどんな人でも車いすテニスを楽しめるようなチャンスのある未来を僕は作れると思ってます」
「最後にファンの皆さん、スポンサーの方々、サポートして頂いた全ての方々本当にありがとうございました。今は本当にホッとしてます。皆さんと共に戦えたことが一番の思い出です。みんなの金メダル。これからも皆さんと一緒に次の夢物語を見れますように」
なお、小田は三木拓也とペアを組み第2シードとして出場したダブルスでも決勝進出。6日に行われた決勝戦では第1シードのヒューエット/ G・リード(イギリス)ペアに2-6, 1-6のストレートで敗れ金メダル獲得とはならなかったものの銀メダルを獲得している。
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