テニスのグランドスラム実況やイベントなどで司会を務めるフリーアナウンサーの吉崎仁康氏が21日、tennis365.netの独占インタビューに応じ、今季の日本人選手の活躍について振り返った。
開口一番に「錦織選手はさらに世界のトップ選手に存在感を強烈に植えつけた1年だった」と男子テニスで世界ランク5位の
錦織圭について語り始めた吉崎氏。
「錦織って四大大会のベスト8、4は当然くる選手、他の選手からすると対錦織で、名前で負けちゃうような存在になった」
今シーズン、錦織はリオデジャネイロ・オリンピック(ブラジル/リオデジャネイロ、ハード)で日本勢96年ぶりの銅メダルを獲得、全米オープンでは
A・マレー(英国)を下して2年ぶり2度目の準決勝進出を果たした。1年を通して大きな怪我もなく、
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)、
R・ナダル(スペイン)、
S・ワウリンカ(スイス)ら強敵から勝利を挙げるなど、好調なシーズンを送ったと言える。
しかし、裏を返すと来シーズン以降は今年以上の結果が求められるようになる。これについて吉崎氏も「ずっとトップ5にいるというのがあまり驚かなくなった。普通になった。それはすごいことだけど、これからは四大大会決勝、トップ3が求められる」と述べた。
「グランドスラム決勝の舞台には近いうちに立てると思います。これは運とタイミングが求められる。できれば第4シードがいい。第5シードだと準々決勝でマレー、
N・ジョコビッチ(セルビア)に当たってしまうので。2年前に決勝にいった時は、自分のテニスができなくて
M・チリッチ(クロアチア)に負けてしまった。その経験があるので、次に決勝へいった時は、自分のテニスができれば悲願のグランドスラム制覇ができる」と初の四大大会制覇に期待を寄せた。
西岡良仁、
ダニエル太郎、
杉田祐一ら錦織以外の選手についても「錦織選手がトップ10でやっているので、全体が引き上げられる。最近ランキングをみていると杉田選手、添田選手、
伊藤竜馬選手が100位台前半に入ってきているので、うまくいくとトップ100に4、5人はいけると思う。錦織が世界の扉を開いて、みんなが刺激しあってという成果が出てくる」と分析した。
続いて、女子について話した吉崎氏は、特に期待を寄せる
大坂なおみについて「2017年シーズン、四大大会ベスト8は普通にいくと思う。トップ20になって、四大大会ベスト8は夢ではないと思う。それくらいのポテンシャルがあるのに、まだ全部出していない状態。まだ成長過程」とコメント。
2016年に大坂は、全豪オープン(オーストラリア/ メルボルン、ハード、グランドスラム)、全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム) のグランドスラム3大会で3回戦進出、9月の東レ パン パシフィック オープンテニス(東京/有明コロシアム、ハード、 WTAプレミア)では自身初のWTAツアー決勝進出を果たした。さらに10月には日本人初となるWTAニューカマー・オブ・ザ・イヤー(最優秀新人賞)を受賞した。
日本男子テニス界と同様に、1人の活躍が他の選手にとって刺激になると吉崎氏。
「それに刺激されて
土居美咲選手、
奈良くるみ選手、
日比野菜緒選手、
尾崎里紗選手もトップ100入り、全豪ストレートインを決めた。女子も5、6人トップ100入って、男女で10人以上がトップ100入りする(可能性がある)」と語った。
最後に「早速、2017年の全豪オープンで日本旋風がまき起きても、おかしくないと思う」と締めくくった。
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