テニスの全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は11日、男子シングルス決勝戦が行われ、第3シードの
S・ワウリンカ(スイス)が第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)を6-7 (1-7), 6-4, 7-5, 6-3の逆転で下し、大会初優勝と同時に四大大会3度目のタイトルを獲得した。
>>全米オープン対戦表<<今大会、ここまでの勝ち上がりで見せた人差し指でこめかみを押さえる仕草を、この日の決勝戦で何度も見せた31歳のワウリンカは、1970年に35歳で優勝した
K・ローズウォール(オーストラリア)以来となる最年長でのチャンピオンとなった。
決勝までの6試合、ワウリンカの試合時間はジョコビッチのほぼ倍で、ワウリンカの約18時間に対してジョコビッチは約9時間だった。
「この2週間、本当に多くのプレーをしてきた。今は脱け殻になっている」と優勝スピーチで語っていた。
第2セットも第3セットも、最後のゲームでブレークしてセットを取ったワウリンカ。この日はジョコビッチに握られた17度のブレークポイントを14度もしのぐ粘り強さを見せた。
第4セットでジョコビッチは、コートチェンジではないが、チェアへ戻るとトレーナーを要求。シューズと靴下を脱ぎ、つま先のマメの処置を受けていた。それに不満のワウリンカへ、ジョコビッチはその後に謝罪する一幕もあった。
対戦成績はワウリンカから5勝19敗。しかし、グランドスラム優勝の時はいずれもジョコビッチを退けていた。2014年の全豪オープン準々決勝、2015年の全仏オープン決勝戦、そして今回の全米オープン決勝戦で勝利を手にした。
ジョコビッチはワウリンカを「大舞台の選手」と称していた。そんなワウリンカは、これまでは同胞で親交の厚い
R・フェデラー(スイス)の偉大さの影に隠れていることが多かった。ワウリンカは28歳にして、自身35度目の出場となったグランドスラムで初めて準決勝進出を果たしていた。
そんなワウリンカも、今では決勝戦で11大会連続で勝利を飾るまでになり、グランドスラムの決勝戦では3勝0敗。
ワウリンカは特に大きな大会で勝ち上がると、調子を上げるプレーを見せている。今大会でも1週目で敗退する危機に直面していた。
3回戦では
D・エヴァンス(英国)にマッチポイントを握られていたが、それを切り抜けるとフルセットで辛うじて勝利を飾っていた。
ワウリンカは表彰式で、ジョコビッチに対して「素晴らしいチャンピオンであり、素晴らしい人間でもある。君のお陰で今ここにいるし、今の自分がある。もう何年もお互いのことを知っているし、何年も練習する機会に恵まれた。そして大きな舞台で何度も戦うことが出来た」とコメント。
それに応えるようにジョコビッチはワウリンカの肩に腕を回し、この日の勝者を称賛する姿勢を見せた。
(STATS - AP)
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