テニスの全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は9日、男子シングルス準決勝が行われ、第3シードの
S・ワウリンカ(スイス)が第6シードの
錦織圭(日本)を4-6, 7-5, 6-4, 6-2の逆転で下し、大会初の決勝進出を果たした。
>>全米オープン対戦表<<「チャンスを待ち、戦い続ける必要があった」と31歳のワウリンカは第1セットを先取された時の気持ちを語っていた。
そのプレースタイルは、これまでのワウリンカのキャリアを物語っていた。28歳になるまでグランドスラムで準決勝進出を果たせなかったワウリンカは、今では自身3度目のグランドスラム優勝に王手をかけている。
2014年の全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)で当時世界ランク1位だった
R・ナダル(スペイン)を下して初優勝を飾ると、昨年の全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー)では
N・ジョコビッチ(セルビア)を破って2度目のタイトル獲得。グランドスラム決勝戦での対戦成績は2勝0敗で、ここまで勝ち上がった決勝戦では10大会連続で優勝を果たしている。
大会が進むにつれて、ワウリンカはよりプレーを向上させる。今大会もそうだった。3回戦では世界ランク64位の
D・エヴァンス(英国)にマッチポイントを握られる崖っぷちから勝ち上がると、準々決勝では2009年の全米オープン覇者である
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)を見事なプレーで退けた。
錦織は、この日の試合まで全米オープンではトップ10選手に5勝0敗と1度も負けていなかった。また、全米オープンが唯一準決勝以上進出を果たしているグランドスラムで、2014年は決勝へ進出したが
M・チリッチ(クロアチア)に敗れ準優勝に終わっていた。
準々決勝で第2シードの
A・マレー(英国)をフルセットで下していた錦織に対し、ワウリンカは「少しずつ良いプレーをするように努力していた。少しずつ速く、少しずつショットも重く。そして彼(錦織)を走らせるようにもした」と試合中の心境を明かした。
錦織は終盤、ポイント間で両足を揺さぶる仕草を見せたり、コートチェンジでは重い足取りでチェアへ向かっていた。そんな錦織だったが、第3・第4セットはワウリンカに先にブレークを許すもブレークバックする粘りを見せた。
しかし、試合を引っくり返すだけのエネルギーは残っておらず、15回もブレークポイントを握りながら、わずか4回しか活かすことが出来なかった。
「本当に残念。特に第2セットは」と錦織。
「あれは大きなミスだった。その後に彼(ワウリンカ)のプレーがどんどん良くなってしまった」と試合を振り返っていた。
マレーとの準々決勝では、屋根を閉じたことが錦織に有利に働いたと感じられていた。しかし、この日も第3セット途中で雨のため屋根が閉じられたが、錦織に流れが傾くことはなかった。
ワウリンカは最高の形でポイントを獲得したり、大切なポイントを獲得すると、人差し指でこめかみを指す仕草を何度も見せていた。
「時にはコートで心地よく感じない時もある。自分自身と戦わなければならない。けど、ポイントを獲得した時は自分自身に満足するし、自分自身を誇りに思っている。やりたいことが出来て強気でいる時に行う」と人差し指でこめかみを指す独特な行為について説明した。
全米オープン初のタイトル獲得を目指すワウリンカは、決勝で第1シードのジョコビッチと対戦する。
(STATS - AP)
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