男子テニスで世界ランク704位、ジュニアランキングでは2位の18歳
綿貫陽介が4月にtennis365.netの独占インタビューに応じ、飛躍の年となった2015年を振り返った。
綿貫陽介は、長男の
綿貫裕介、次男の
綿貫敬介の末っ子で、今年からプロとして活動。1月にはプロサッカー選手 本田圭佑のマネジメント事務所であるHONDA ESTILO株式会社と契約を締結した。
昨年は、全日本ジュニアテニス選手権の18歳以下男子シングルスで準優勝、全日本選手権では兄の綿貫裕介とのダブルスで見事優勝を飾った。その後も、10月のスーパージュニアテニス選手権大会でシングルス8強入り、ダブルスでは優勝するなど、まさに飛躍の年だった。
全日本ジュニア時の綿貫陽介
全日本選手権時の綿貫3兄弟
これまで1番苦労したことを綿貫に聞くと「僕が1番苦労した年が2015年。周りからは結果も出ていて、調子が良いと言われてた。けど、自分の中では凄く苦しいというか、もがき続けていた。」と答えた。
その理由を「去年からグランドスラムのジュニアに出場し始めて、フューチャーズにも出始めた。今までは自分が勝てて当たり前という状況で、最低でも決勝・ベスト4まで残りたいのが当たり前だった。けど、急にレベルが上がって1回戦勝つのがめちゃくちゃしんどかった。1つ勝つのがこんなに大変なのかと感じた。」
「勝っても次もまた強い相手がいて、優勝が凄く遠く感じる大会が何回もあった。その中で勝てない時期が続いたりとか、1回戦負けが続く時もあったので、自分の中の感覚が狂った。」
「逆に日本に帰ってきて、少しグレードを下げた大会に出て勝ってしまうと、自分は勝つとすぐに鼻の先が伸びていくタイプだったので、浮かれてしまうこともあった。その時は、コーチの兄が鼻の上をポキポキ折ってくれた。勝っていても、まだまだ先があるっていうのが染みついて、勝っても喜んでいる暇がないと感じました。」と常に上を目指していた。
綿貫はこの時、下部大会の筑波大学MEIKEIオープンとかしわ国際オープンで2週連続優勝を飾った直後のインタビューだった。
初優勝の時の心境を聞くと「初優勝だし、年齢も若い方だったので凄いねって言ってくれた。でも、周りを見ると僕の1つ上がめちゃくちゃ強い。
T・フリッツ(アメリカ)は、僕と去年一緒の大会に出ていたのに、力の差を見せつけられているというか、
錦織圭さんと一緒の舞台で戦っている。決勝で錦織さんと対戦しているのを見てしまうと遠いなと感じてしまう。」
かしわ国際OP時の綿貫陽介
「だから優勝しても、自分の中ではどちらかというと嬉しいというよりもほっとする。良いのか悪いのかは分からないですけど、やっと乗り越えられた、1つ終わったと捉えられるようになりました。」と国内での優勝だけではなく、世界を見据えていた。
同世代の選手が世界の舞台で活躍している姿を目の当たりにした綿貫だったが「同じところで戦っていた選手が、大舞台で活躍してくれたので、僕にとってはそこまでいけるチャンスがあると思えました。」と力強くコメント。
今後の課題については「昔に比べて戦うレベルが上がってきて、少し自分のテニスがディフェンシブになっているところが正直ある。もう少し自分から攻撃出来るようになりたい。」と飛躍を誓った。
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