男子テニスツアーのBNPパリバ・マスターズ(フランス/パリ、ハード)に第1シードで出場の
N・ジョコビッチ(セルビア)は「これまでに最高のシーズン」と自負する今季を、今大会と11月15日から始まる最終戦の残る2大会で、昨年に続く優勝という最高の形で終えたいと願っている。
今シーズン28歳のジョコビッチは既に9大会で優勝を飾る活躍。全米オープン決勝戦ではグランドスラム最多優勝の17度を誇る
R・フェデラー(スイス)を下して自身10度目の四大大会優勝を飾り、全仏オープンでは準々決勝で圧倒的な強さを誇っていた
R・ナダル(スペイン)を退けるなど、記憶に残る勝利を飾っていた。
これまでで自身最高のシーズンと言われていた2011年同様、全仏オープンを除くグランドスラム3大会で優勝を飾ったジョコビッチは、現時点での今季の成績を73勝5敗と他を圧倒している。
もしジョコビッチがBNPパリバ・マスターズでの3連覇と、最終戦での4連覇を達成したと場合、自身59度のツアー優勝を達成する。これはナダルの優勝回数まであと8回と迫る。しかし、1日にスイスのバーゼルで行われたスイス・インドアの決勝戦でナダルを下して地元優勝を飾ったフェデラーは、それを遥かに超える88度目を記録していた。
シード選手は1回戦が免除されているため2回戦から登場となるジョコビッチは、初戦の2回戦でラッキールーザーの
T・ガバシュビリ(ロシア)をストレートで下した
T・ベルッチ(ブラジル)と顔を合わせ、今季79試合目の対戦に臨む。
「もし今後の2大会で良いテニスが出来なかったとしても、それで今シーズンが台無しになることはない。なぜなら既にここまでで、自身最高のシーズンを送っているから。世界ランク1位で前年度チャンピオンとして大会に臨む時は、それに相応しいプレーをしなければと必要以上の重圧がかかるもの。」
「人々はそれを期待して会場へ訪れるし、高いチケットを買ってくれている。」とジョコビッチは大会へ向けて1日に行われた会見で語っていた。
そして「このテニスというスポーツを本当に愛しているし、テニスをしたいと思う情熱もたくさん持っているんだ。」とテニスへの熱い思いを加えていた。
戦い続けたシーズンの終盤に入り、体が悲鳴をあげていながらもジョコビッチの勢いが、これまでの集中力を維持させている。
「この勢いは気持ちへ大きく影響している。精神的な部分を言えば、自分自身の新たなモチベーションを見付け出してくれている。グランドスラムも終わりシーズンの終盤だけど、安定して良いプレーを続けられるのは、マスターズ大会を高く評価しているからさ。」
「グランドスラムの決勝の舞台でコートへ立つことと、パリでのマスターズ大会の決勝の舞台でコートへ立つことに、大きな違いは感じてはいない。」とジョコビッチは今大会への想いを述べていた。
決勝戦でナダルを6度も下し、キャリアベストとなる10大会での優勝を飾った2011年の勢いを超える今季のジョコビッチは、それ以上の結果を残そうとしている。
「40試合以上の勝利を続けていることは、また同じことが出来るとは思えないようなこと。今年は14大会中13度決勝戦に勝ち上がっている。本当に信じられないシーズン。プロテニス選手としての生活と、夫であり父親としてのプライベートをよりバランス良く保てていると感じている。」
「だから好成績も納得出来るし、精神的にも感情的にもより安定して満足した気分になっている。」と好成績への要因を分析していた。
今大会第7シードで出場するナダルは、先週のスイス・インドアでは決勝戦でフェデラーに惜しくも敗れはしたが、その勝ち上がりでは
L・ロソル(チェコ共和国)、
G・ディミトロフ(ブルガリア)、2014年の全米オープン覇者である
M・チリッチ(クロアチア)、
R・ガスケ(フランス)らを下しての勝ち上がりだった。
ジョコビッチは「彼(ナダル)は、ロソル、ディミトロフ、チリッチとの試合では、あと数ポイントで負けてしまうという劣勢を跳ね除けての逆転勝利を続けていた。それは、特に精神的な部分で彼に自信を取り戻させるはずだと思っている。」と復調の兆しを見せるナダルを警戒していた。
今季ジョコビッチから勝利を飾った数少ない選手の1人である第2シードの
A・マレー(英国)は、初戦となる2回戦で延び盛りの18歳である
B・チョリッチ(クロアチア)と
F・ベルダスコ(スペイン)の勝者と対戦する。
過去2度のグランドスラム優勝経験を持つマレーも、最近のナダルのプレーには一目置いている。
「この数カ月、彼(ナダル)はまた勝利し始めている。例え負けた試合でも、かなりの接戦で負けている。また彼が戻りたいと思っているレベルへかなり近付いていると感じている。」とマレーもナダルへの印象を語っていた。
(STATS - AP)
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