9月18日から20日にかけて行われた男子国別対抗戦 デビスカップ準決勝で、スコットランドのグラスゴーでオーストラリアを招いたイギリスは、最終日の第1シングルスで
A・マレー(英国)が
B・トミック(オーストラリア)を7-5, 6-3, 6-2のストレートで下すと同時に祖国イギリスに3勝目をもたらし、37年ぶりとなる決勝進出に導いた。
この試合、マレーは最初の2度のサービスゲームで、わずか1ポイントしかトミックに与えず、トミックの2度目のサービスゲームでは、3度目のブレークポイントで深いキレのあるショットを打ち込み、トミックのバックハンドがネットにかかるとこの試合初めてのブレークに成功した。
しかし、世界ランク23位のトミックも簡単にはいかなかった。迎えたマレーのサービング・フォー・セットでブレークバックを許してしまった。だが世界ランク3位の底力を発揮したマレーは、続くトミックのサービスをまたブレークすると、次の自身のサービスゲームでは、鮮やかなドロップショットを決めて第1セットの先取に成功した。
そして第2セットの第4ゲームでブレークを奪ったマレーは、迎えたサービング・フォー・セットをラブゲームで決め、勝利へ王手をかけた。
第3セットで流れを掴んだマレーは、トミックから2度のブレークを奪い、握ったマッチポイントではトミックのリターンがサイドラインを割りゲームセット。マレーはイギリスを1978年以来となる決勝進出へと導いた。
初日に行われたシングルスで、マレーは
T・コキナキス(オーストラリア)を下し、2日目に実の兄である
J・マレー(英国)とのダブルスでは
L・ヒューイット(オーストラリア)/
S・グロス(オーストラリア)組にフルセットで勝利した。2勝1敗で迎えたこの日、疲労が残り腰に違和感を感じていたマレーだったが、オーストラリアのエースであるトミックに対し、再び最高のプレーを見せ勝利をものにする活躍を見せた。
その後行われた残りのシングルスは、消化試合となったため3セットマッチで行われた。コキナキスが
D・エヴァンス(英国)を7-5, 6-4のストレートで勝利したが、結果イギリスがオーストラリアを3勝2敗で下した。
11月27日から29日に行われる決勝戦では、イギリスはベルギーと対戦する。ベルギーはアルゼンチンを同じく3勝2敗で倒し決勝進出を果たしている。
イギリスのエースのマレーは、1936年以来となるイギリスの優勝へ向けて、今後ツアーを続けながら2カ月ちょっとで万全の体調へ戻さなければならない。
「今週は腰の状態に悩まされていた。それは以前に痛めていたのとは関係のないもの。全く別のものだった。」とマレーは腰の状態について語り始めた。
「全米オープン中は全く問題なかった。それから5日間、完璧なオフを取りここで日曜日から練習を再開したんだ。そして火曜日の夜から腰が痛み始め、それからの数日で徐々に悪化していったんだ。」と、その症状を説明していた。
しかし金曜日にはコキナキス相手に、会場であるエミレーツ・アリーナに訪れた8000人の観客を沸かせるプレーを披露していた。
そんなマレーは、兄のジェイミーの力も借りながら、ここまで1回戦のアメリカ、準々決勝のフランス、そして今回のオーストラリアを下すのに、8試合もの勝利をあげる活躍を見せていた。
(STATS - AP)
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