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フェデラーら 引退惜しむ声

31日から開幕する全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)を現役最後の大会として引退することを表明しているM・フィッシュ(アメリカ)は、その大会への強い想いを語った。加えて、共に戦って来た仲間達からフィッシュへの想いが語られた。

最後にフィッシュが全米オープンに出場した2012年、その年の9月3日に予定されていた4回戦ではR・フェデラー(スイス)と対戦するはずだった。しかし、その日はフィッシュにとって苦しい日々の始まりだった。

「その試合へ向けて一生懸命練習に励んでいたんだ。フェデラーとの試合はレイバー・デー(9月の第1月曜日に当たる休日)に行われるはずだった。そこへたどり着くために、本当に激しい練習を積んで多くを犠牲にもしてきていたんだ。」とフィッシュはその日を振り返っていた。

しかしフィッシュはその試合でコートに立つことはなかった。マンハッタンのホテルから大会会場へ向かう車の中でフィッシュの発作が始まっていた。そしてフィッシュは試合を棄権し大会を去った。

「ここまで3年間苦しめられた不安障害の中でも、あの発作は最も深刻で最も酷いものだった。真っ暗闇に落ちていた。」とフィッシュは電話でのインタビューで答えていた。

元トップ10選手のフィッシュは、月曜日に始まる全米オープンに出場することである意味、また元に戻ろうとしている。大会会場であるフラッシング・メドーにフィッシュは2012年以来初めて足を踏み入れる。同時に33歳のフィッシュは、それを現役最後の公式戦への出場にすると語っている。

対戦するはずだったフェデラーは「あの時は正直、何が起こったのか分からなかった。そして翌日彼(フィッシュ)と会った時に、不思議なことに彼も何が起こっているのか分かっていなかったんだ。」と会場でのインタビューで語っていた。

そして「それでも彼がどんな状態だったのかその後分かったのは良かったと思う。そしてそれをしっかり対処してこうしてまたコートへ戻って来てくれたのは嬉しく思っている。彼がこうしてそのことをオープンに語れるようになったのも本当に素晴らしいと思う。」とフィッシュへの思いを加えていた。

フィッシュは最後の大会である全米オープンへ向けて“引退ツアー”とでも言えるように、アトランタ、ワシントンDC、シンシナティの3大会へ出場し、シングルスとダブルス合わせて7試合を行っている。

それまでフィッシュは、この約2年間で公式戦には1試合しか出場していなかった。しかしフィッシュは、怪我や病気でツアー離脱した選手に適応されるプロテクト・ランキングを用いて、全米オープンの本戦へエントリーしている。

ここまでの長期に渡る治療のお陰で、フィッシュは何とか元の生活に戻ることが出来たと語っている。

「まだまだ毎日が戦いさ。」とフィッシュ。「でもどんな状況からも多くを学んでいる。本当に苦しめられたこと、睡眠や1人旅、遅くまで起きていること、激しい練習などなど、すればするほどどんどん自信が増しているんだ。益々気分が良くなっている。」

今、こうしてフィッシュがコートへ戻って来ているのは、もちろんテニス人生の締めくくりをするためではあるが、同時に精神的な病に苦しんでいる人達へのお手本になりたいという思いもある。

「もし誰かが自分のことについて読んで“見てみろ、こうして自分と同じような多くの苦しみを乗り越えた人がいるんだ”って言えるなら、それは最高のこと。誰かの助けになれたら素晴らしいじゃないか。」とフィッシュは自身の思いを述べていた。

ミネソタ州に生まれ今では妻と1歳の息子と共にカリフォルニア州に住んでいるフィッシュは、2000年にプロ転向していた。これまでシングルスで6度、ダブルスで8度のツアー優勝を飾り、アメリカを代表して国別対抗戦のデビスカップにも出場していた。

グランドスラムでは3度ベスト8入りを果たしており、直近では2011年のウィンブルドンで準々決勝進出を果たし、その年には自己最高位の世界ランク7位を記録していた。

フェデラーはフィッシュのことを「この15年間で最高のショットを打つ選手の1人」と呼んでいる。

フィッシュの苦しみは2012年3月に突然始まった。深夜、激しい鼓動に襲われたのだった。その6月にコートへ戻ったフィッシュは、その年の全米オープンでの悪夢の日までプレーを続けていた。

フィッシュは2013年に10試合戦ったが、その後は今年の3月に1試合に出場しただけで、約1年半ツアーから離れていた。

2度のグランドスラム優勝を飾っているA・マレー(英国)は、「ロッカールームで彼を見られないなんて、そんな寂しいことはない。」とフィッシュの愉快な性格を表していた。

フェデラーは「笑いが欲しい時はいつも彼を探していた。」とフィッシュについて語っていた。

フィッシュとよく練習をしていた同胞のS・クエリー(アメリカ)は「彼は笑いを起こしてくれて、長く辛い練習をいつも我満出来るようにしてくれた。時には皮肉めいたことを言ったり、自分や他の人をからかったりしながらね。笑うしかなかった。」と思い出を語った。

現在アメリカ人男子最高位にいるJ・イズナー(アメリカ)は「わがままかも知れないが、彼の近くにいたいんだ。彼は本当に良い人だからさ。でも彼はニューヨークで最後の大会を迎える。引退を楽しんで欲しい。」と気持ちを語っていた。

実際、引退を決めたフィッシュは今は平穏な気持ちでいると言う。彼は3年前の全米オープンで遭遇した、彼曰く“悪魔”と戦う準備が出来ている。

「あの時、あの場所から悪夢が始まったんだ。あそこから全てが奪われてしまった。だからあの場所ではたくさんの感情が湧いてくる思う。」とフィッシュは、最後の大会となる全米オープンへの思いを加えていた。

(STATS - AP)

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