テニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー)は24日に開幕し、男子シングルス1回戦が行われ、第2シードの
R・フェデラー(スイス)がラッキールーザーの
A・ファリャ(コロンビア)を6-3, 6-3, 6-4のストレートで下し、順当に2回戦進出を決めた。しかし、試合後フェデラーに事件が起きた。
センター・スタジアムであるコート・フィリップ・シャトリエで行われたこの試合、終了直後にフェデラーはオンコート・インタビューを受けた。すると、その直後に10代と思われるファンが乱入してフェデラーの肩に手を回すと、自身の携帯電話でフェデラーと写真を撮ろうとする事件があった。
フェデラーは明らかに驚いた表情を見せて、困惑しながら少年を振り払おうとしていた。間もなく警備員が駆けつけ少年をフェデラーから引き離した。
「フィリップ・シャトリエでこんな事が起きてはならない。全く嬉しい事ではない。一瞬たりとも良い気持ちにはならなかった。」と、2009年のチャンピオンであるフェデラーは怒りをあらわにした。
「試合をしている時やコート上では、全ての選手が安全でいなければならない。これほど頻繁に起きるべきではない。2日間で2回起きている。」と、フェデラー。
試合前日の土曜日に練習を行っていたフェデラー。
「1人の少年がコートに入ってくると、次々に5人の少年が入ってきたんだ。警備員はそれにほとんど反応しなかった。」と、前日にも似たような事が起きていた事を明かした。この日も少年がフェデラーのもとへ訪れても、警備員が駆けつけるまでは数分かかっていた。
「警備員の姿をして、ただそこに立っているだけではないはずさ。面白い話などではない。大会側からも、何らかの処置をしてもらいたい。」と、厳しい口調で語っていた。
フェデラー曰く、大会主催者であるギルベール・イサーン氏は、すぐにフェデラーへ謝罪したと言うが「警備体系を変える理由は見当たらない。」と、今後の対応を語っていた。
しかしながら、その少年は今後大会会場への入場を禁止されたと伝えた。
警備員に対しては「どんな場合でも、いかなる理由があっても、誰1人としてコートへ入れてはいけない。」と、再び言い聞かせていた。
コート上での選手のセキュリティに関しては、1993年に
M・セレス(アメリカ)がドイツのハンブルグで行われた大会に出場していた時、コートチェンジの際当日ライバルであった
S・グラフ(ドイツ)の熱狂的なファンに背中を刺されるという悲惨な事件が起きてから、厳しくなっていた。
全仏オープンでのこのような事件にフェデラーがあったのは2回目だった。
2009年の決勝戦の第2セット途中で、1人の男がカメラマン席を飛び越えてコートに乱入し、フェデラーに赤い帽子を被せようとした事があった。
それでもフェデラーは、5年前のウィンブルドンでフルセットへもつれる試合を強いられたファリャをストレートで下し「この大会へ来るのは大好きなんだ。怪我もしなかったし、とても満足している。」と、勝利の喜びを語った。
フェデラーは2回戦で、予選を勝ち上がった
M・バッヒンガー(ドイツ)を6-4, 6-3, 7-6 (9-7)のストレートで退けた
M・グラノジェルス(スペイン)と対戦する。
>>全仏オープン男子ドロー表<<
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