テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は2日、男子シングルス2回戦が行われ、予選を勝ち抜いた世界ランク102位の
D・ブラウン(ドイツ)が2度の優勝を誇る第10シードの
R・ナダル(スペイン)を7-5, 3-6, 6-4, 6-4で破り、2年ぶりの3回戦進出を決めた。
【会場でしか買えない 全英タオル】ナダルのプレーが本来のものではなかったのも事実かも知れないが、ブラウンもそのトリッキーなプレーでナダルを翻弄した。現代テニスでは、あまり見られなくなったサーブ&ボレーを繰り返し、ドロップ・ショットやドロップ・ボレーを多用。リターン・ダッシュも見せた。
「失うものは何もなかった。もし今日自分が1-6, 2-6, 3-6で負けても、“ブラボー・ラファ!”と、みんなはナダルを称賛するだけ。」とブラウンは語り、無心で戦った事を明かした。
30歳のブラウンは、ジャマイカ人の父とドイツ人の母の間でドイツに生まれた。現在父の顔を腹部に入れ墨で描いているブラウンは、12歳の時に家族でジャマイカへ移り住んだが、約10年前にまたヨーロッパへ戻ると、両親はワゴン車で彼を大会へと連れて行っていた。
そんな彼が、この大舞台でこんな偉業を成し遂げるとは誰が想像しただろう。もちろん、この日も彼の勝利は予想されていなかっただろう。
波乱の立役者であるブラウンはこの日、素晴らしいテニスを見せた。象徴であるドレッドヘアは、ネットへ出る度に大きく揺れ動いていた。ブラウンは114本打ったサービス中、99本でサーブ&ボレーを見せ、71本をポイントに繋げていた。この日ブラウンが放った最速サービスは215キロだった。
「自分がしたプレーは、彼(ナダル)に心地よくプレーをさせないようなものだった。」とブラウンは自身のテニスを評価していた。
そしてそのプレーを終始続けたブラウンは「試合を通して最後までそのプレーを貫いた事にはとても満足している。」と語り、去年行われた祖国ドイツのハーレ大会に続く芝でのナダルからの勝利に喜びを表していた。
>>ウィンブルドン対戦表<<
■関連ニュース■
・金星ブラウン「失う物はない」・BIG4崩壊の危機、窮地ナダル・落胆ナダル 自信喪失か
■最新ニュース■
・BIG4で明暗分かれる・エース53本 激闘カルロビッチ・フェデラーが股抜きショット