男子テニスの上位8選手によって争われる今季の最終戦、バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ(イギリス/ ロンドン、賞金総額650万ドル)は16日、第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)と第2シードの
R・フェデラー(スイス)がシングルス決勝を行う予定だったが、フェデラーが腰の怪我を理由に試合開始前に棄権を申し入れたため、ジョコビッチは労せず大会3連覇を決めた。
ジョコビッチは「彼(フェデラー)は、デビスカップの決勝戦のために計算して体力をセーブしようとしたとは思えない。この決勝戦はグランドスラムの決勝戦に次ぐものなはず。直接彼と話をしたが、デビスカップの決勝戦ですら出場が危ぶまれるほどの状態だと言っていた。」と、フェデラーの症状の深刻さを語っていた。
この優勝でジョコビッチは、1985年から1987年まで3連覇を達成していた
I・レンドル(アメリカ)氏に次ぐ快挙を達成した。
しかしながら、望んだ形とは行かない優勝に「相手の棄権での勝利は、特に大きな大会では好ましいものとは言えない。」とジョコビッチも優勝の喜びを満喫できない気持ちも明かしていた。
これで2年間、インドアでは負けなしのジョコビッチは、この4年で3度目となる世界ランク1位でシーズンを終えた。シーズンを3回以上1位で終えるのはジョコビッチで7人目となる。ジョコビッチはウィンブルドンでの優勝を含む6大会での優勝を飾り、全仏オープンでの準優勝も飾っていた。
「今は自分のテニス人生の頂点にいると思っている。肉体的にも万全な状態。この状態を維持できれば、これからの数年間で世界ランク1位の座の維持やテニス界での最高のタイトル獲得も可能だと感じている。」と、ジョコビッチはグランドスラム中まだ獲得していない全仏オープンでの優勝も視野に入れていた。
この日はフェデラーの棄権により、決勝戦が行われなかった代わりに、
A・マレー(英国)が駆け付けジョコビッチとエキシビョン・マッチを行った。その試合の後には、マレーが
J・マッケンロー(アメリカ)氏と組み、イギリス人選手の先輩である
T・ヘンマン(英国)氏と
P・キャッシュ(オーストラリア)氏のペアとのダブルスのエキシビションも行った。
決勝戦が選手の棄権のために行われなかったのは、今大会45年の歴史上初めての事だった。
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