男子テニスの上位8選手によって争われる今季の最終戦、バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ(イギリス/ ロンドン、賞金総額650万ドル)は13日、グループBの予選ラウンドロビン3試合目が行われ、第4シードの
錦織圭(日本)が第7シードの
M・ラオニチ(カナダ)に代わって出場した
D・フェレール(スペイン)を4-6, 6-4, 6-1の逆転で下した。
「第3セットはほぼ完璧なプレーが出来ました。」と語る錦織は、41本のウィナーを決めるとファーストサービスでは80パーセントの確率でポイントを獲得していた。
予選ラウンドロビンで2敗しているラオニチは試合直前に右太ももの部分断裂を理由に欠場を表明し、急遽フェレールが試合へ登場した。しかしフェレールは、第1セットだけで18本のミスを犯した錦織に付け入ると、第10ゲームの錦織のサービスで迎えたセットポイントでは、錦織が簡単なスマッシュをネットにかけフェレールへそのセットを献上してしまった。
それでも落胆する事がなかった錦織は、第2セットの第1ゲームでフェレールのサービスをブレークすると、その後は完璧なサービスゲームを展開し第2セットを奪い返し、勝敗の行方はファイナルセットへともつれた。今大会ここまでフルセットになったのは、この試合が初めてだった。
第3セットでは更に集中力を高めた錦織は4ゲームを連取し、フェレールに5回握られたブレークポイント全てを退けると、鮮やかなドロップショットを決めるなどし、最後はフェレールのミスを誘い1時間56分で2勝目を上げた。
両者はレギュラーシーズンの最後の大会となったBNPパリバ・マスターズ準々決勝で対戦していた。その試合も逆転でフェレールを下して勝利した錦織は、その結果最終戦への出場権を獲得すると同時にフェレールの最終戦への可能性を断っていた。
突然の試合となったフェレールは、若干腰に違和感があったと言うが「今日の体調はほぼ万全だった。今日は圭が良かっただけ。」と、錦織のプレーが勝者に値するものだと認めていた。
両者は9度目の対戦となり、錦織はフェレールに6勝3敗とし、今年4度対戦し全てフルセットにもつれるも錦織が4連勝している。
その後行われた試合で、
R・フェデラー(スイス)が
A・マレー(英国)を6-0, 6-1で下した事で準決勝進出を決めた錦織。今年の最終戦には3選手がデビューを飾ったが、全米オープン準優勝の錦織だけが準決勝進出を果たした。
もう一方のグループAにいる
N・ジョコビッチ(セルビア)は、14日に行われる予選ラウンドロビン第3戦で
T・ベルディヒ(チェコ共和国)を下すと、世界ランク1位で今シーズンを終える事が決まる。それが実現するとジョコビッチは、この4年間で3度目となる1位でシーズンを終える。
グループAも、最後の試合までまだ4選手全てに準決勝進出の可能性が残されている。全米オープンで錦織を下し初のグランドスラム優勝を飾った
M・チリッチ(クロアチア)は、全豪オープンで同じく初優勝を飾った
S・ワウリンカ(スイス)と対戦する。
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