男子テニスの上位8選手によって争われる今季の最終戦、バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ(イギリス/ ロンドン、賞金総額650万ドル)は13日、グループBの予選ラウンドロビン3試合目が行われ、第2シードの
R・フェデラー(スイス)が第5シードの
A・マレー(英国)を6-0, 6-1で一蹴し、6年連続となる準決勝進出を果たした。
この日の勝利で
I・レンドル(アメリカ)と並ぶ12度目となる準決勝進出を決め、史上最多となる6回の優勝を誇るフェデラーは、予選ラウンドロビンを全勝で飾り、第4シードの
錦織圭(日本)と共に準決勝トーナメントへ進んだ。
この試合の前に行われた錦織と
D・フェレール(スペイン)の試合で、錦織が第1セットをフェレールに奪われた時点で準決勝進出が決まっていたフェデラーは「準決勝入りが決まっていたのは知っていた。だからよりリラックスして試合に臨めたのかも知れない。こんな展開になるとは思っていなかったけど、アンディ(マレー)にはまた来年もあるさ。」と敗れたマレーへの気遣いも忘れなかった。
マレーに対して11ゲームを連取し、ダブルベーグルでの勝利まであと2ポイントまで追いやったフェデラー。不本意な試合を地元ファンの前で披露してしまったマレーは、試合を通して1ゲームしか奪えない敗戦は2007年のソニー・オープン準決勝で
N・ジョコビッチ(セルビア)と対戦した時以来となる。
「辛い夜になってしまった。」と落胆するマレー。「グランドスラムの決勝戦でも何度も負けているけど、そんな辛い敗戦だった。試合の展開からすると、自分自身としては全く持って理想から離れていた。」
この試合の前に行われた錦織とフェレールの試合は、錦織が4-6, 6-4, 6-1の逆転でフェレールを下し、予選ラウンドロビンの成績を2勝1敗とし、準決勝進出はナイトマッチで行われたフェデラーとマレーの試合の結果に委ねられた。
マレーにも準決勝進出の可能性が残されていたが、それにはフェデラーをストレートで下すしかなかった。
そんなプレッシャーの中でのマレーとは対照的に、今大会ここまでまだ1セットも落としていない好調なフェデラーは、この試合ではややサービスの調子が悪かったにも関わらず、24分で先取した第1セットではマレーにわずか8ポイントしか与えない完璧なプレーを見せていた。
第2セットもマレーはフェデラーが握っていた主導権を奪うことは出来なかった。そしてそのセットも5ゲームをフェデラーに連取され、続く自身のサービスも0ー30と劣勢に立たされた。しかしそこから残る力を振り絞りやっと1ゲームをキープすると、詰め掛けた地元ファンからは更なる声援が送られた。
シーズン終盤で徐々に調子を上げて今大会への出場権を獲得したマレーは「もし良いプレーが出来たとしても、きっと彼(フェデラー)が勝っていただろう。」と、この日のフェデラーの凄さを実感していた。
加えて「今日の彼は本当にしっかりボールをヒットしていたし、序盤から稀に見るほどの好プレーを見せていた。ほとんどミスもしなかった。サービスもリターンもしっかりラケットの芯でボールを捉えていた。ファーストサービスはあまり良くなかったけど、それ以外はほぼ完璧なテニスだった。」とフェデラーの好調さを表していた。
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