テニスのグランドスラムである全米オープン序盤でシードダウンが起きた。それは大会5日目に行われた男子シングルス2回戦での
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)の敗退。その立役者は2001年の全米オープンを制した元王者
L・ヒューイット(オーストラリア)だった。
2009年覇者のデル=ポトロと元チャンピオン対決となったこの試合、6-4, 5-7, 3-6, 7-6 (7-2), 6-1のフルセットで32歳のヒューイットは好調なシーズンを送っていた第6シードのデル=ポトロを撃破した。
今季前半は結果が出せていなかったヒューイットは、芝のシーズンに入りウィンブルドン前哨戦のAEGON選手権で今季初のベスト4入り。その後のキャンベル殿堂テニス選手権で準優勝、アトランタ大会でベスト4と好調なまま臨んだ全米オープンだった。
デル=ポトロとの2回戦、第1セットを先取したヒューイットは第2セットも先にブレークに成功すると、ゲームカウント5-4のサービング・フォー・セットを迎えた。しかし、そこからデル=ポトロに反撃される。ヒューイットはそのセットを接戦の末落とすと、第3セットもデル=ポトロに奪われ、流れはデル=ポトロかと思われる展開で後がなくなってしまった。
しかし、自身初のグランドスラム優勝を飾った思い出深い地でヒューイットは諦めなかった。
接戦となった第4セットをタイブレークへ持ち込むとヒューイットが主導権を握り7-2で奪い返すと、試合はフルセットへともつれた。
第5セットでは集中力が切れたデル=ポトロから2度のブレークに成功したヒューイットは、ゲームカウント5-1と勝利へあと1ゲームと迫った。
続くデル=ポトロのサービスゲームでヒューイットはマッチポイントを握ると、最後デル=ポトロのダブルフォルトで4時間3分の熱戦の末に幕が降りた。
元チャンピオン対決を制したヒューイットは「本当に驚いている。試合の後ロッカールームに帰って、これが現実なのかと思った。あの会場の雰囲気の中にいるのが大好き。全ての瞬間を感じていた。」とヒューイットは、試合後に喜びの気持ちを語っていた。
2014年2月で33歳になるヒューイット。まだまだ現役選手として戦い続ける。
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