テニスのグランドスラムである全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は30日、女子シングルス3回戦が行われ、予選から勝ち上がった世界ランク109位の
奈良くるみ(日本)は第9シードで元世界ランク1位の
J・ヤンコビッチ(セルビア)に4-6, 6-7 (5-7)のストレートで敗れ、四大大会で自身初の4回戦進出を逃すと同時に、日本女子で
杉山愛(日本)以来9年ぶりのベスト16入りとはならなかった。
世界ランキングだけで見ると12位のヤンコビッチに対し奈良くるみは106位だが、試合を通して両者互角のラリー戦を披露した。ウィナーの数ではヤンコビッチは20、奈良くるみはそれを上回る28本だった。
試合後、奈良くるみは「達成感と悔しい気持ち。」と、コメント。
奈良くるみはヤンコビッチとの激しい打ち合いの中、短いボールに対しては叩き、すかさずネットへつめるなど、積極的に攻め続けた。
「(ヤンコビッチは)しつこい選手なので、前に入って自分からポイントを取りにいく事を心掛けた。試合前はどうなるかと思ったけど、相手が強いというのは思わずに入れた。チャンスがあれば前にいく姿勢を出せたと思う。」
敗因については「相手はトップ選手なので、ポイントを締めるショットが今の自分には足りない。ネットプレーでポイントを締める形をしていきたい。」と、今後の課題も加えて語った。
今大会で21歳の奈良くるみは予選3試合を勝ち抜き、本戦では1回戦で
A・カダントゥ(ルーマニア)、2回戦では格上の第19シードの
S・キルスチャ(ルーマニア)を破り、1セットも落とさずに日本女子で杉山愛以来5年ぶりの3回戦へ駒を進めた。
「今大会でこのような結果が出て、今までやってきた事が間違いではなかった事を感じた。観客の皆さんも盛り上がってくれたので、全米オープンは改めていい大会だと思った。」
今後については「来週から始まるタシケント・オープンに出て、その後はアジア・シリーズが始まるので、そこでまた頑張りたいと思います。」と、奈良くるみ。
また今回の活躍により、大会後に発表される世界ランキングでは自身初のトップ100入りが決まっていた。
次なる目標については「WTAのトーナメントに出続けて、その中でトップ100に定着し続ける事。そこからトップ50を目指していければいいと思います。」と、語った。
21歳の奈良くるみは、今大会でグランドスラムを通して自身初の3回戦進出を果たした。それまでのグランドスラム自己最高成績は2010年のウィンブルドンで、その時は予選3試合を勝ち抜き、本戦では
N・リー(中国)との2回戦へ駒を進めていた。
試合に着用していたウエアについては「今日の服は、勝負服だった。明るい色が大好き。」と、話した。
一方、勝利した28歳のヤンコビッチは2008年の全米オープンで準優勝を飾っており、世界ランキングでは同年の8月に世界1位へのぼりつめていた。これまでのツアー大会では13度の優勝を飾っているが、未だグランドスラムでのタイトル獲得には至っていない。
4回戦でヤンコビッチは、
L・ロブソン(英国)をストレートで下した第5シードのN・リーと対戦する。
その他の日本勢では、第11シードの
錦織圭(日本)、
添田豪(日本)、
クルム伊達公子(日本)、
土居美咲(日本)は初戦敗退となった。
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